1998年9月11日
                                   電 気 事 業 連 合 会


石炭ガス化複合発電(IGCC=Integrated coal Gasification Combined Cycle)実証プラントの開発について


1.目  的
 1997〜98年度に実施したフィージビリティスタディおよび要素試験の結果をふまえ、IGCC研究開発の最終段階として、実証試験を行うことで、実用段階で求められる性能・信頼性・耐久性を確認するとともに、スケールアップや信頼性確保など、商用機設計や運転保守に関するデータを取得する。

2.スケジュール
 ・設計研究、環境評価  1999〜2001年度
 ・中間評価       2000年春
 ・実証プラント建設   2002〜2004年度
 ・実証試験       2005〜2007年度

3.現計画での設備概要
 ・出力規模 :30万kW級
 ・石炭処理量:約2,000/日
 ・方   式:酸素富化空気吹きガス化炉/湿式ガス精製方式
 ・熱 効 率:40.5%以上(送電端)
 ・設置場所 :未定

4.参加会社
 9電力(北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力)、電源開発、電力中央研究所

5.費  用
  総事業費:約900億円(設備費: 760億円、研究費: 140億円)
       *総事業費のうち、30%は国の補助

<IGCCの特徴>
 ○熱効率が高い
  ・送電端効率47%程度が期待(微粉炭火力40.5%程度)
 ○微粉炭火力で適用困難な低灰融点炭を中心に適用炭種を拡大できる
 ○他の石炭火力に比べ環境面で優れている
  ・二酸化炭素(CO2)の2割程度の削減が可能
  ・石炭灰の発生量が、微粉炭火力に比べて約半分の容量
  ・コンバインドサイクルのため温排水量が約7割に低減


<参考>IGCC技術開発の経緯

 ○ガス化炉試験研究開始(1983年度〜1989年度)
  ・石炭処理量:2t/日
  ・実施主体 :電中研とメーカにる共同研究

   ↓

 ○パイロットプラントのフィージビリティスタディ(1983〜1985年度)
  ・石炭処理量:200t/日
  ・実施主体 :電中研

   ↓
 
 ○勿来パイロットプラント試験(1986〜1996年度)
  ・場   所:福島県いわき市勿来
  ・出   力:2.5万kW級
  ・石炭処理量:200t/日
  ・方   式:空気吹きガス化炉/乾式ガス精製方式
  ・実施主体 :9電力・電発・電中研からなるIGC組合
  ・システム :技術開発要素の少ない蒸気タービンを省略

   ↓

 ○実証プラントのFS・要素試験の実施(1997〜1998年度)

   ↓

 ○実証プラント開発・試験(1999〜2007年度 予定)
  ・場   所:未定
  ・出力規模 :30万kW
  ・石炭処理量:2,000/日
  ・方   式:酸素富化空気吹きガス化炉/湿式ガス精製方式
  ・熱 効 率:40.5%以上(送電端)

                                         以 上