藤電事連会長定例記者会見発言要旨
(2003年 7月18日)

◎ 本日、私から申し上げるのは、次の2点です。
  1点目は、産業構造審議会環境部会地球環境小委員会の中間とりまとめについて。2点目は、6月の需要実績の速報についてです。

1. 産構審環境部会地球環境小委員会の中間とりまとめ
◎ まず、産業構造審議会環境部会地球環境小委員会の中間とりまとめについて申し上げます。

○ 去る8日、この小委員会が、「気候変動に関する将来の持続可能な枠組みの構築に向けた視点と行動」をとりまとめ、本日、正式に発表されました。概要については、お手許の資料1−2に整理しましたのでご覧ください。

○ 現在、京都議定書は、その発効を待つ段階にありますが、
このとりまとめは、一言で申し上げますと、京都議定書で規定されている2012年までの取り組みの次の段階となる、2013年以降の枠組みの構築に向けた視点と行動について検討された結果、中間的にまとめられたものです。

○ このたびの検討には、私も委員の一人として参加させていただき、意見を申し上げてまいりましたが、改めてこのとりまとめに対する私どもの考え方を、大きく3つに整理し、資料1−1にまとめましたので、ご覧ください。

○ 第一に、気候変動に関する将来の枠組みの構築に向けた議論は大変重要ということです。
気候変動問題は、長期にわたって地球規模で取り組む必要がある重要な課題であり、全地球的・長期的な枠組みで対策を検討していくことが重要です。
京都議定書では、2005年末までに、第二約束期間、つまり2013年以降の枠組みについて議論を開始すると定められていることから、わが国においても積極的に議論を進め、その結果を踏まえた主張を国際的な枠組みに反映させていくことが必要です。
その意味で、このたびの中間とりまとめは、今後の議論のたたき台として重要な役割を担うものと考えます。

○ 第二に、京都議定書の課題をわが国全体の共通認識とした上で、将来の枠組みを交渉することが必要ということです。
私どもでは、従来から、地球温暖化対策の実効をあげるためには、全ての国々が参加できる国際的な枠組みが不可欠と申し上げてまいりました。
この点について、現状の京都議定書は完全とは言えず、今回の取りまとめでは、1990年を基準年としたことなどにより、各国の削減目標の達成難易度に格差があること、削減目標を遵守できなかった場合の罰則が議定書締約国に厳しい一方、非締約国には何ら設けられていないことなどの問題点を指摘しています。
今後は、こうした課題を、関係省庁を含め、わが国全体の共通認識とした上で、将来の枠組み交渉に臨んでいく必要があると考えます。

○ 第三に、今後の国内対策においては、エネルギー政策と温暖化政策との整合が必要ということです。
エネルギー政策は、温暖化政策と表裏一体の関係にあり、今後、地球温暖化問題に現実的・効果的に対応していく上での基本となるものです。
現在、総合資源エネルギー調査会基本計画部会では、わが国のエネルギー政策の基本となる、エネルギー基本計画の策定に向けた検討が進められておりますが、来年実施される予定の「地球温暖化対策推進大綱」の評価・見直しにあたっては、基本計画の内容を踏まえ、エネルギー政策と温暖化政策との整合が十分に図られることが必要と考えます。
また、そのためにも、原子力を着実に推進するとともに、安全対策や原子燃料サイクルを含む総合的な原子力技術の研究・開発をさらに進める必要があると考えます。

○ 以上、いくつか申し上げましたが、地球環境問題への対応は、人類にとって永遠の課題であり、私どもとしては、厳しい経営環境の下でも全力で社会的責任を果たしてまいる所存です。そのためには、繰り返しになりますが、安定供給とともに、発電段階でCO2を排出しない原子力発電を着実に推進していくことが何より重要です。

○ エネルギー記者会の皆さまには、是非とも、ご理解とご支援をお願い申し上げます。


2.6月の需要実績速報
◎ 次に、本日、6月の需要実績の速報がまとまりました。お手許の資料2−1をご覧ください。

○ 左下の表に示しましたとおり、6月の10社販売電力量は、合計で642億kWh、前年同月比100.0%となり、11か月連続でプラスとなりました。

○ 3枚めくっていただきまして、資料2−2に、景気動向を敏感に反映する産業用の大口電力需要の動向を示しましたが、6月は100.8%となり、昨年7月以降、12か月連続で前年実績を上回りました。
  業種別に見ても、昨年10月以降、多くの主要業種で前年実績を上回っており、電力需要から見る限り、生産の持ち直し傾向はゆるやかに続いているものと考えられます。
 ただし、ここ数ヶ月の状況を見ると、伸び率は縮小傾向にあることや、わが国のデフレ状態の継続、雇用の悪化など、引き続き厳しい状況にあることから、今後の動向には注意が必要と考えています。

○ 一方で、今月1日に発表された日銀短観では、企業の景況感が好転しており、8日には、株価が、昨年8月以来となる1万円台を記録するなど、明るい兆しも出てきております。

○ いずれにしても、私どもとしては、今後の電力需要の動向を、期待を込めて注意深く見極めていきたいと考えています。 

○ 私からは、以上です。