藤電事連会長定例記者会見発言要旨
(2003年10月24日)
◎ 本日、私から申し上げるのは、次の2点です。1点目は、
WANOベルリン総会への参加について。2点目は、環境税に対する電力としての考え方についてです。
1.WANOベルリン総会
◎ まず、WANOベルリン総会への参加について申し上げます。お手許の資料1をご覧ください。
○ 先週13日と14日の2日間、ドイツのベルリンでWANO(世界原子力発電事業者協会)の総会が開催されました。
○ WANOとは、チェルノブイリ原子力発電所の事故を契機として1989年に設立された民間組織です。世界の全ての原子力発電事業者が加盟しており、原子力発電の安全性や信頼性の向上のために、相互に情報交換や技術支援を行っています。わが国からは、9電力会社のほか、日本原子力発電、電力中央研究所、核燃料サイクル開発機構、電源開発の13団体が参加しています。
○ 総会は2年に1度実施され、全会員が一堂に会してWANOの活動方針を協議したり、原子力発電全般について幅広く意見交換を行っています。
第7回目となる今回の総会には、世界34の国・地域から約380名の関係者が集まり、「原子力安全−世界的課題」をテーマに活発な意見交換や議論が行われました。日本からも各社の会長・社長をはじめ原子力関係者が多数参加し、私自身も、日本のエネルギー政策および原子力の現状と将来、そしてわが国の原子力発電に対するWANOの貢献などについて話をさせていただきました。
○ 最近、米国では、二つの電力会社が原子力発電所の立地候補地を原子力規制委員会(NRC)に承認申請するなど、1979年のスリーマイル島での事故以降、久しくなかった原子力発電所の新規立地に向け、新しい息吹が芽生えはじめています。こうした動きを原子力に対する評価の向上につなげるためにも、世界の全ての原子力発電事業者が原子力発電の安全性、信頼性の向上という共通の目的の下で経験や情報を共有しあうWANOの役割は、今後、ますます重要になっていくと感じた次第です。
○ あさって10月26日は、「原子力の日」です。これは、茨城県東海村で、わが国で最初に原子力の火が灯った記念すべき日でありますが、今年はちょうど40年目を迎えます。
さらに振り返ってみますと、昨今のように原子力エネルギーが発電・医療・工業などの分野で本格的に利用されることになったのは、米国のアイゼンハワー大統領が、1953年の第8回国連総会において「平和のための原子力」(Atoms for peace)を提唱したことが出発点になっていますが、今年はその提唱から50年目にあたります。
このように、原子力にとって大きな歴史的な節目を迎えた今、私どもは事業者として引き続き安全の実績をしっかりと積み重ね、原子燃料サイクルを含めた原子力発電を着実に推進していかなければならないと決意を新たにした次第です。
2.環境税
◎ 次に、環境税に対する私ども電力としての考え方について申し上げます。お手許の資料2をご覧ください。
○ 去る8月29日、中央環境審議会・地球温暖化対策税制専門委員会が、いわゆる環境税の導入を柱とする「温暖化対策税制の具体的な制度の案」をとりまとめられました。現在、同委員会では、パブリックコメントを募集しておられますので、この機会に私ども電力としての考えを申し上げたいと思います。
○ 第1に、まず税ありきの考え方は受け入れられないということです。
わが国の温暖化対策は、地球温暖化対策推進大綱に定められたステップ・バイ・ステップのアプローチに沿って進めることとなっており、税制面などの追加策については、第1ステップの評価を行った上で、必要に応じて検討することとされています。したがって、まず税の導入ありきという考え方は、これに反するものであり、受け入れられません。
○ 第2に、既存のエネルギー関連税制を含めた税制全般の総合的な見直しが必要ということです。
環境税の議論にあたっては、そのCO2削減効果はもとより、わが国の経済・雇用、さらには産業の国際競争力に及ぼす影響等を十分に調査・研究した上で、既存のエネルギー関連税制を含めた税制全般の総合的な見直しが必要と
考えます。
○ 第3に、石油石炭税との二重課税、および増税には反対ということです。
既にご案内のとおり、この10月から化石燃料の炭素含有量に課税する、いわゆる石油石炭税が導入され、その税収の一部は温暖化対策に使われることとなっております。したがって、化石燃料に対してさらに温暖化対策税を課し、事業者に二重の負担を強いる考え方には反対です。
また、そもそも私ども電気事業者の税負担は一般の産業と比べて約5.6倍とかなり高い実態にあり、これ以上の負担増は受け入れられません。
○ 以上、いくつか申し上げましたが、私どもとしては、引き続き「電気事業における環境行動計画」の目標の達成に向け最大限努力するとともに、このたびのいわゆる環境税導入の動きに対し、日本経団連とも協調して関係の皆さまに広くご説明し、慎重な取り扱いを強く求めていきたいと考えております。
エネルギー記者会の皆さまにも、是非、ご理解をお願い申し上げます。