本州と結ぶ送電線の建設 北海道電力 北斗今別直流幹線

vol.19

津軽海峡に面した北海道の松前半島。現在、北海道と本州を結ぶ送電線の新設工事が、北海道電力により進められています。

北海道の電力系統規模は、本州に比べて小さく、発電所のトラブル等により電圧や周波数が不安定となるおそれがありました。そのため、北海道と本州を結ぶ海底ケーブル等による送電線が整備され、現在60万kWで運用中です。今回の工事によりさらに30万kWが増強され、北海道の安定供給はもとより、東日本大震災時に行ったような緊急送電など日本全体における安定供給への貢献や再生可能エネルギー導入拡大が期待されています。

10月中旬、北海道知内町の山間地で、送電線の鉄塔間に電線を架ける工事が行われました。送電用の電線は非常に重いため、作業は段階的に進められます。まず、ヘリコプターに搭載された軽量のロープが鉄塔に架けられます。その後、地上でロープの端をワイヤーに繋いで鉄塔に送り込み、一旦ワイヤーを架けた後、さらにワイヤーに繋いだ電線を送り込むことで、最終的に電線が鉄塔に架けられます。これらの工程を繰り返し、北海道側には約77kmの送電線が建設されます。

工事現場へは、資機材を担ぎ、足場の悪い山道を1時間以上歩いて行かなければならないことも珍しくありません。天候の変わりやすい山間地にあっても、安全を第一に工事が進められています。北海道電力はこの作業のほか、青函トンネル内に敷設するケーブルの工事などを進め、2019年3月の運転開始を目指します。