島をつなぐ送電鉄塔 中国電力大三島支線・大崎火力線

vol.05

大小あわせて1000近い島が浮かぶ瀬戸内海には、海の上を横断する送電線で電気を送っている島々があります。

そのひとつ、本州と大三島を結ぶ送電線(大三島支線)には、高さ226メートルの日本一高い送電鉄塔があります。また、近隣の大崎火力線には日本で2番目に高い223メートルの送電鉄塔があります。

〈鉄塔上部より撮影〉送電線は下に弧を描いて写真中央の鉄塔とつながる 海を挟んで2キロメートルを超える距離に立つ鉄塔は、1本が10トンを超える送電線6本を支えています。鉄塔を高く頑丈にすることで、送電線が重みでたわんだ状態でも、その下を船が安全に航行できる高さを確保しています。

写真左右の鉄塔が海をまたぐ送電線を支える 海風による電線の振動を抑える装置、塩分による腐食を防ぐ対策を施した電線などは特別仕様で、不具合があった場合の対応には時間を要します。事故を未然に防ぐには、装置の分解点検や、防食油の塗り替えなど計画的な保守が必要です。
大三島支線には、電線の周りにぐるりと防食油を塗る「重防食」と呼ばれる対策を施していますが、その効果は時間の経過とともに少しずつ小さくなっていきます。技術は進歩しても、防食油を塗り替えるには人の手が頼りです。滑車を付けたカゴを送電線にぶら下げ、古い防食油を剥いだ後に電線を磨き、新しい防食油を塗っていきます。
巡視、点検、そして補修。送電線の先にいるお客さまが安心して電気を使えるよう、現場では安定供給に向けた努力を重ねています。