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2016.7

冷却用水源の多様化-燃料を確実に冷やす

原子力発電所で重大な事故が起きた場合、様々な安全装置を動かす電源の確保とともに、熱を持った燃料などを安定的に、継続して冷やすための「水の確保」が必要です。原子力発電所では、淡水を溜めておく給水タンクのほかにも、様々な手段で水源の確保に取り組んでいます。
上の写真は、北陸電力志賀原子力発電所に建設された「大容量淡水貯水槽」です。約5,000立方メートルの容量を持つ大型貯水槽が2基設置されました。壁の厚さは2.5 メートルで、高い耐震性も備えています。緊急時に通常の冷却機能が失われた場合でも、貯水槽と消防車をホースでつなぎ、格納容器や原子炉、使用済燃料貯蔵プールへと注水を行うことで、燃料を安定して冷却することができます。

さらに、これとは別に原子力発電所の敷地内にあるダム貯水池として全国的にも珍しい「大坪川ダム」があります。有効貯水量は約36万立方メートル。重大な事故が起きた場合に、冷却水の水源として利用できるようにしています。
大型貯水槽とダム貯水池による水源の多様化で、冷却機能の確保に万全を期しています。

大坪川ダム

  • 高所注水車2台を配備

  • 消防車13台を配備

    志賀原子力発電所全景