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2016.9

原子炉格納容器で放射性物質を閉じ込める

原子力発電所は、万が一事故やトラブルが起きた場合でも、放射性物質を外部に放出させない機能、いわゆる「閉じ込める」機能を備えています。原子炉などの発電所の心臓部とも言える重要機器は、気密性が高く、極めて頑丈な原子炉格納容器の中に設置されており、仮に原子炉内の燃料が損傷したとしても、放射性物質を格納容器内に閉じ込めることができます。
九州電力玄海原子力発電所3号機のドーム型の原子炉格納容器は、「プレストレスト・コンクリート製格納容器(PCCV)」と呼ばれ、高強度の鉄筋コンクリートで作られています。鉄筋コンクリート壁の内部に鋼線を縦横に張り巡らせ、あらかじめ強く締め付けることで内部の圧力上昇に対する強度を高めており、耐震性にも優れています。

玄海原子力発電所3号機原子炉格納容器の外観

また、作業員が点検などのために原子炉格納容器内に入る際には、「エアロック」と呼ばれる分厚い扉を通ります。エアロックは、内側と外側の二重扉式の気密構造で、両方の扉が同時に開かないようになっており、放射性物質を外部に放出させない構造となっています。

  • 原子炉格納容器の内部

  • 格納容器入り口にある二重扉式のエアロック