電力の技術開発

東日本大震災以降、一部の原子力発電所は再稼働したものの、依然として多くの原子力発電所が停止し、火力発電への高依存度が長期化する中、再生可能エネルギーの普及拡大や、節電への意識の高まりなど、資源・エネルギー・電力を取り巻く情勢が変化しています。また、電力システム改革の進展に伴う、電力広域的運営推進機関の設置、ライセンス制の導入(送配電部門の一層の中立化)、小売全面自由化などの制度変更により、電気事業を取り巻く経営環境は大きく変化しています。

このような様々な状況においても、ライフラインを担う電気事業者は、お客さまに低廉で良質な電気を安定的にお届けすることが最大の使命です。その使命を果たすためには、電気の生産、流通、消費のあらゆる段階で「S+3E」、すなわち、安全確保(Safety)を大前提に、エネルギー安定供給(Energy Security)、経済性(Economy)、環境保全(Environmental Conservation)の同時達成を目指した取り組みが重要となります。

そこで、電気事業者の技術開発においては、S+3Eを達成するために、時代の変化を予測して早急に取り組むべき課題として以下の3つの「重点取組課題」を定め、これらの課題解決に向けた技術開発に重点的に取り組みます。

技術開発にあたっては、小売全面自由化による競争環境下においても、電力共通の技術開発課題があることから、日本の基幹産業を支える立場の電気事業者が共同で研究に取り組んだり、国の研究開発プロジェクトへ参画するなど効率的かつ着実に推進していきます。また、電気事業の共通基盤技術の開発は、(一財)電力中央研究所を中心に推進するとともに、大学との連携においては、研究・教育両面から電気工学分野の一層の発展に寄与する「パワーアカデミー」において、大学の諸活動を支援していきます。

<重点取組課題 Ⅰ>
エネルギーミックスの多様な選択肢を確保するための技術の開発

「S+3E」の観点から、エネルギーミックスの多様な選択肢を確保することが重要です。このため、多様な選択肢の確保に向けた技術開発を推進します。
原子力利用における安全確保と電力の長期安定供給、発電設備の高効率化や低コスト化などに向けた技術開発に取り組むとともに、再生可能エネルギーなど地球環境保全に向けた技術開発にも取り組みます。

<重点取組課題 Ⅱ>
安定供給を支える送配電設備技術・系統安定化技術の開発

電力を安定供給するためには、今後とも電力流通設備を安定に運用していくことが不可欠です。電気事業を取り巻く様々な情勢や社会環境の中においても、電力の安定供給を支える技術の開発に引き続き取り組みます。

<重点取組課題 Ⅲ>
お客さまのエネルギー利用に貢献する技術の開発

技術革新の進展により、各エネルギー源の用途が拡大するなど、今後、お客さまが多様なエネルギーを選択できる環境が整っていくと予測されます。また、お客さまの省エネルギーや節電への意識は従来以上に高まっており、環境に配慮したエネルギーの効率的利用が求められています。
お客さまのエネルギー利用における省エネルギー化や高効率化など、お客さまサービス向上に向けた技術開発に取り組むとともに、お客さまの利便性向上に資する技術開発に取り組みます。

各「重点取組課題」に対応する技術開発の詳細はこちらからダウンロードできます。

<2016年度>

重点取組課題 Ⅰ

PDFが開きますエネルギーミックスの多様な選択肢を確保するための技術の開発

重点取組課題 Ⅱ

PDFが開きます安定供給を支える送配電設備技術・系統安定化技術の開発

重点取組課題 Ⅲ

PDFが開きますお客さまのエネルギー利用に貢献する技術の開発

重点取組課題 Ⅰ~Ⅲ

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