循環型社会の形成

今日の我が国においては、リデュース(発生抑制:Reduce)、リユース(再使用:Reuse)、リサイクル(再生利用:Recycle)の3Rを進めることによって、環境への負荷が少ない「循環型社会」の形成に向けた取組みが進められています。

また、2013(平成25)年度には我が国の廃棄物・リサイクル施策のベースとなる「循環型社会形成推進基本計画」の見直しがなされ、環境保全と安心・安全を確保した上で、低炭素社会や自然共生社会に向けた取組みとも統合して、天然資源の消費抑制と環境負荷の低減を目指した循環型社会の形成を国内はもとより国際的にも実現していくことが重要な課題とされております。

このような状況を踏まえ、電気事業においても、従来自主的に取り組んできた廃棄物等の再資源化や原子燃料サイクルの確立等、さらなる資源の有効利用を促進し、「循環型社会」の形成を目指します。

また、東日本大震災に伴い発生した東京電力福島第一原子力発電所における放射性廃棄物については、適切な処理・処分に向けて検討を進めてまいります。

1 廃棄物等の削減・再資源化対策

電気事業から発生する主な廃棄物には、石炭火力発電所から発生する石炭灰、配電工事に伴う廃コンクリート柱等のがれき類(建設廃材)、電線等の金属くずがあり、また、副生品としては火力発電所から発生する脱硫石膏があります。

これら廃棄物等の発生量は、電力需要の伸びに伴って増加しており、近年では1990(平成2)年度の約2倍となっております。このような状況に対し、さらなる発生抑制と引き続き再資源化を促進することにより、廃棄物の最終処分量を低減することが重要な課題と考えています。

(1)廃棄物再資源化率目標

電気事業においては、当初、廃棄物最終処分量を1990(平成2)年度実績(240万t)以下に抑えることを目標として取り組んできましたが、3Rの推進により着実に最終処分量の削減が図られてきたことから、最終処分量の目標を200万t以下へ、さらには150万t以下へと引き上げてきました。

また、2005(平成17)年度からは電力需要の変動に大きく左右されない指標として再資源化率9) 90%を目標に掲げ、その後2006(平成18)年度には目標値を5ポイント高く見直した上で、2010(平成22)年度の再資源化率を95%程度とするよう取り組んできました。

さらに、今後もこの高い再資源化率を維持していくよう、2011(平成23)年度に以下のとおり目標年度の見直しを行いました。

2015年度における廃棄物再資源化率を95%程度とするよう努める。

なお、2016(平成28)年度以降につきましても、高い再資源化率を維持していくよう目標年度を2015(平成27年度から2020(平成32)年度に見直し引き続き取り組むとともに、毎年のフォローアップにて目標の達成状況等のチェックを行い、必要に応じて目標の見直し等も検討してまいります。

(2)2014(平成26)年度の廃棄物再資源化実績

2014(平成26)年度の廃棄物等発生量は1,145万tであり、2013(平成25)年度と比較して42万t減少しました。一方、2014(平成26)年度の再資源化量は1,109万tであり、2013(平成25)年度と比較して24万t減少しました。この結果、2014(平成26)年度の再資源化率は97%となり、2013(平成25)年度に引き続き再資源化率95%という高い目標を達成することが出来ました。

廃棄物の種類別では、石炭灰の発生量が843万tと最も多く、このうち821万tをセメント原料やコンクリート用混和材、土地造成材として再資源化しています。金属くず、がれき類は発生量のほぼ全量を再資源化しており、その他の廃棄物についても極力再資源化に努めています。また、副生品である脱硫石膏については、石膏ボード等の建設材料やセメント原料としてほぼ全量再資源化しています。

2 原子力分野におけるリサイクル

(1)リサイクルとしての原子燃料サイクルの確立

エネルギー自給率わずか4%の我が国にとって、使用済燃料を廃棄物と再使用可能な燃料であるウランとプルトニウムに分別し、リサイクルする原子燃料サイクルの確立は、資源利用効率の拡大、廃棄物の減容の観点から非常に有効で、供給安定性に優れた原子力発電所の特性をさらに向上させる循環型社会の趣旨に沿ったシステムです。

現在、青森県に建設中の再処理工場で使用済燃料から回収されるプルトニウムについては、余剰プルトニウムを持たないという我が国の国際公約を踏まえ、当面、軽水炉でMOX燃料(Mixed Oxide Fuel:ウランとプルトニウムの混合燃料)として消費するプルサーマル計画に取り組んでいきます。

また、現在、研究開発が進められている高速増殖炉(FBR)は、ウラン燃料を何度もリサイクルして使用できることから、ウラン資源の寿命を飛躍的に延ばすことができます。

(2)原子力施設から生じる再生可能資源の有効利用

原子力施設の廃止措置や運転に伴い、発生する廃材のうち放射性物質の濃度が極めて低く、人への影響が無視できるものも発生します。これらについて放射性廃棄物と区分して、適切に再生利用や処分を行うことは、我が国における循環型社会形成の観点から重要であり、国の厳しい確認を受けた上で「放射性廃棄物として扱う必要のないもの」(以下、クリアランス物)として、一般の有価物や廃棄物と同等に扱って良いとする原子炉等規制法の改正が2005年に行われました。

2006(平成18)年にはこのクリアランス制度を初めて適用し、原子力発電所の廃止措置工事で発生したクリアランス物のリサイクルが日本原子力発電㈱東海発電所において始まりました。

今後も電気事業者は、この法改正の趣旨に則り、原子力施設から生じる金属・コンクリート等について、クリアランス制度を適用し、国によりクリアランス物として確認を受けた物については、積極的に再生可能資源として有効利用することを実践していきます。

なお、クリアランス物は、この制度が社会に定着するまでの間、それが原子力施設由来の物であることをご了解頂いた方々の施設で加工・処理し、電気事業者自ら率先して関係企業などで再生利用等を進めていくこととしております。

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