お客さまに省エネルギーを進めていただくことおよび夜間電力をご利用いただくことによる負荷平準化によって、CO2削減に寄与する「蓄熱システム」、「CO2冷媒ヒートポンプ給湯機」、「ヒートポンプ技術を活用した高効率の業務用空調機」の開発、普及促進に積極的に取り組んでいます。
ヒートポンプのしくみ
気体は、蒸発→圧縮→凝縮→膨張といったサイクルで、熱を取り込んだり、放出したりします。ヒートポンプの中には、そのために必要な“冷媒”と呼ばれる熱を運ぶ物質が流れています。
ヒートポンプでは、冷媒を圧縮するときに電気(エネルギー)を使います。必要な電気の力を1として、空気の熱を5集めることができるヒートポンプであれば、トータルで6のエネルギーを給湯や暖房に使えます。これをCOP(エネルギー消費効率)で表すとCOP=6となります。
COP(エネルギー消費効率):
消費電力あたりの加熱・冷却能力を表したもの。
この値が大きいほど効率が高い。
ヒートポンプによるCO2削減ポテンシャル
財団法人ヒートポンプ・蓄熱センターの発表によると、民生(家庭+業務)・産業部門の燃焼機器によってまかなわれている熱需要(空調・給湯あるいは加温・乾燥など100℃未満の温度帯の熱需要)をヒートポンプへ転換することにより、合わせて約1.3億t(トン)(民生約1億t+産業約3,000万t)の CO2削減ポテンシャルがあることが報告されています。
これは国内の総CO2排出量13億tの約10%に相当する量になります。民生部門だけでも約1億tの削減ポテンシャルがあり、この値は京都議定書目標達成計画で民生部門に割り当てられたエネルギー起源のCO2排出削減目標約6,000万tを大幅に上回るものになります。
ヒートポンプ利用のメリット
ヒートポンプによる空気熱利用のメリットは数多くありますが、省エネ・省CO2・省コストは大きな三本柱です。空気熱を利用して少ないエネルギーで多くの熱をつくり出せるヒートポンプ機器が普及すると、化石燃料の燃焼によって発生していたこれまでのCO2を大幅に削減できます。そして効率よくエネルギーを使うことで、エネルギーコストも抑制できます。
また、太陽光発電が自然エネルギーと呼ばれる太陽光から電気をつくるように、ヒートポンプも太陽エネルギーによって暖められた“空気の熱”を使ってより多くの熱をつくりだします。ヒートポンプによって利用される“空気の熱”は太陽光や風力と同じように“自然の恵み”であるということなのです。
有限な化石燃料の代わりに再生可能で(無限で)クリーンな“空気の熱”を利用する空気熱エネルギー社会は今後目指すべき持続可能な社会でもあります。
高効率ヒートポンプシステム導入によるCO2排出抑制、省エネの事例
| 導入事例 | 概要 |
|---|---|
| 新設事務所ビルにおける高効率ヒートポンプ・蓄熱システムの導入 | 昼光利用や日射遮蔽、高効率ヒートポンプ・蓄熱空調、エネルギー管理システム(Building Energy Management System:BEMS)の導入等で、未対策ケースと比較しエネルギー消費量を約30%削減。 |
| 地域冷暖房システムでのヒートポンプ・蓄熱システムの導入 | 大気熱と建物排熱を活用するヒートポンプ、蓄熱システムを採用し、販売熱量あたりのCO2排出原単位を約60%低減。 |
| ホテルにおける高効率ヒートポンプの導入 | ホテルの空調用に高効率ヒートポンプを導入し、年間削減量はCO2排出量で1,500t-CO2、エネルギー消費量で12%、エネルギーコストで1億円以上。 |
| 半導体工場での高効率ヒートポンプ・蓄熱システムの導入 | コジェネから高効率ヒートポンプ・蓄熱システムへ変更し、導入前よりCO2排出量で32%抑制。 |
ヒートポンプ普及に向けて
「京都議定書」で示されているように、日本は2010年までに、温室効果ガスを1990年比で6%削減しなくてはなりません。しかし現状は約6.2%も上昇しており、目標達成は難しい状況です。
空気の熱を集めお湯をつくる実に効率的なシステム、ヒートポンプを用いた給湯システム「エコキュート(ヒートポンプ給湯機)」は環境性が高いことから、国も「京都議定書目標達成計画」にエコキュートの普及目標台数を盛り込み、導入補助金を交付するなど普及に力を入れています。
「京都議定書目標達成計画」(2005年4月28日閣議決定)において、以下の目標量が記述されています。
- CO2冷媒ヒートポンプ給湯器の普及台数<約520万台>
- 業務用高効率空調機の導入量<約12,000台>








