1. エネルギー政策動向

豊富な化石燃料資源:石油、ガスは枯渇の方向

英国は化石燃料資源に恵まれた国である。産業革命以来のエネルギー源である石炭に加えて、1960~70年代には北海での石油、天然ガスの開発が本格化し、1980年以降、20年間にわたってエネルギー自給を達成してきた。しかし、2000年に入ると北海の油田・ガス田の枯渇で生産量が年々減少し、2004年からはエネルギーの純輸入国に転じている。なお、2005年以降も生産量は減少の一途をたどっていたが、2014年からは北海大陸棚における掘削地点の再開発により生産は微増している。

政府統計によれば2016年では石油の約35%、ガスの約47%が輸入によるものであった。

また、2016年の一次エネルギー需要は約2億109万toe(石油換算トン)、国内生産量は約1億2,514万toeで自給率は約62%であった。一次エネルギー需要の内訳はガス38.3%、石油37.7%、石炭5.9%、電力他17.7%であった。>また、2016年の一次エネルギー需要は約2億109万toe(石油換算トン)、国内生産量は約1億2,514万toeで自給率は約62%であった。一次エネルギー需要の内訳はガス38.3%、石油37.7%、石炭5.9%、電力他17.7%であった。

原子力開発にも注力

この化石燃料開発に加えて、英国は原子力開発もその黎明期から手がけてきた。1950~60年代には国産技術によるマグノックス炉(ガス冷却炉)、1960~70年代にはAGR(改良型ガス冷却炉)を開発、1970年代終わりには軽水炉開発に着手し、1994年にはサイズウエルB発電所(PWR1基、125万kW)を完成させた。また、原子燃料サイクル開発も行ってきており、濃縮、再処理、MOX製造等の施設も建設してきた。2017年12月時点の運転中の原子力発電ユニットは15基、合計1,036万kWで、国内総発電量の約2割を占める。1990年以降、電気事業の民営化や電力自由化を背景に、原子力発電所の新規建設は長期途絶えたが、北海ガス資源の枯渇や地球環境問題等を背景に、2008年以降、原子力推進策へ転じている。

再エネ、省エネ、原子力開発を推進

英国は前述のように北海の石油・ガス資源枯渇、さらには地球温暖化問題に対処するため、2000年代初頭から、積極的にエネルギー・環境対策に取り組んでいる。特に2008年に制定されたエネルギー法では、2050年の温室効果ガス(GHG)削減目標を1990年比で80%と設定し、その達成に向け、再生可能エネルギー(再エネ)の開発や省エネの推進を精力的に進めている。

また、原子力開発についても、2008年に政府として積極的に推進するとした原子力白書を発表し、許認可プロセスの見直しや炉型の承認作業等を通じ、民間電気事業者が原子力を開発するための環境整備が進められることになった。そして、現在、原子力も再エネと同様にその発電量を長期固定価格で買い取り、投資リスクを軽減させる方向で準備が進められている。
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