2. 地球温暖化防止政策動向

温室効果ガス削減目標:2020年までに34%、2050年までに80%削減

英国は、京都議定書に基づきGHGを2008~2012年に1990年比で12.5%削減する義務を負っていたが、22.1%減とこの目標値はクリアした。これは主に発電部門等での石炭からガスへの燃料転換や、老朽産業設備の取替え等が進んだことによる。

中・長期的な目標については、2008年にGHGを2050年までに80%削減(1990年比)することを規定した「2008年気候変動法」が施行された。2009年には、5年ごとの削減目標値(カーボン・バジェット)が策定され、2020年までに35%削減する目標が設定された。また同時にこれを達成するための国家計画「低炭素移行計画」(LCTP)も発表されている。そして2017年10月には、低炭素化に向けた新たな戦略「Clean Growth Strategy」が発表されている。

なお、英国は2016年に1990年比42%のGHG削減を達成している。今後の見通しとしては、カーボンバジェットの第1~3期(2008~2022年)の目標を達成する見込みであるが、削減幅が大きくなる第4~5期(2023~2032年)は目標未達となる懸念も示されている。

2009年のLCTPで示された電気事業関連の主な施策としては、再エネの利用拡大(2020年に発電比率30%)、原子力発電所の新設決定、新設に伴う立地手続きの簡素化、新設石炭火力へのCCS(CO2回収・貯留)設備の設置、スマートグリッドの開発、スマートメータの全世帯設置(2020年)等が挙げられた。また、新築家屋や庁舎のカーボン・ニュートラル化、グリーンディール(省エネ施策に対する融資制度)、自動車の燃費改善や電気自動車の普及、賃貸住宅のエネルギー効率度を示す「エネルギー効率証書」制の導入、自治体レベルでの再エネ開発、需要部門を対象とした排出量取引制度の導入、社会的弱者家屋のエネルギー効率化事業の強化等も計画された。

2017年の「Clean Growth Strategy」では、原子力、洋上風力、電力貯蔵のコストダウン促進とイノベーションに向け総額9億ポンド投資することや、2025年までの石炭火力の廃止、2040年までのガソリン・ディーゼル車の販売禁止、充電ステーションやCO2貯蔵・利用(CCUS)、省エネ住宅への投資といった政策が提示された。

また英国は、EU大で実施されている排出量取引制度(EU-ETS)にも参加している。2019年3月にEU離脱(Brexit)を予定しているが、Brexit後のEUの環境分野における制度・枠組みへの参加については2018年3月現在不透明となっている。
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