2.エネルギー政策の動向

豊富な化石燃料資源:石油、ガスは枯渇の方向

英国は化石燃料資源に恵まれた国である。産業革命以来のエネルギー源である石炭に加えて、1960~70年代には北海での石油、天然ガスの開発が本格化し、1980年以降、20年間にわたってエネルギー自給を達成してきた。しかし、2000年に入り北海の油田・ガス田の減産が始まり、2004年からはエネルギーの純輸入国に転じている。2015年には石油、ガスともに半分近くを輸入に依存することになると予想される。2011年の一次エネルギー需要は212Mtoe(100万石油換算トン)、生産量は137Mtoeで、自給率は約65%であった。一次エネルギー需要の内訳はガス37%、石油36%、石炭16%、電力他11% であった。

原子力開発にも注力

この化石燃料開発に加えて、英国は原子力開発にもその黎明期から手がけてきた。1950~60年代には国産技術によるマグノックス炉(ガス冷却炉)、1960~70年代にはAGR(改良型ガス冷却炉)を開発、1970年代終りには軽水炉開発に着手し、1994年にはサイズウエルB発電所(PWR1基、125万kW)を完成させた。また、原子燃料サイクル開発も行ってきており、濃縮、再処理、MOX製造などの施設も建設してきた。2013年1月現在、運転中の原子力発電ユニットは16基合計1,093万kWで、国内総発電量の約2割(2011年)を占める。1990年以降、電気事業の民営化や電力自由化を背景に、原子力発電所の新規建設は途絶えたが、北海ガス資源の枯渇や地球環境対策などを背景に、2008年以降、原子力推進へ転じている。

再エネ、省エネ、原子力開発を推進

英国は前述の北海の石油・ガス資源枯渇、さらには地球温暖化問題に対処するため、2000年代初頭から、積極的にエネルギー・環境対策に取り組んでいる。特に2008年に制定された2008年エネルギー法では、2050年のGHG削減目標を1990年比で80%と設定し、その達成に向け、再生可能エネルギー(以下、再エネと略)の開発や省エネルギーの推進を精力的に進めている。

また、原子力開発についても、2008年に政府として積極的に推進するとした原子力白書を発表し、許認可プロセスの見直しや炉型の承認作業などを通じ、民間電気事業者が原子力を開発するための環境整備が進められることになった。そして、現在、原子力も再エネと同様にその発電量を長期固定価格で買い取り、投資リスクを軽減させる方向で検討が進められている。

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