5.原子力開発の動向

1,600万kWの新規建設が計画

英国は原子力開発にその黎明期から手がけてきた。1950~60年代には国産技術によるマグノックス炉(ガス冷却炉)、1960~70年代にはAGR(改良型ガス冷却炉)を開発、1970年代終りには軽水炉開発に着手し、1994年にはサイズウエルB発電所(PWR1基、125万kW)を完成させた。また、原子燃料サイクル開発も行ってきており、濃縮、再処理、MOX製造などの施設も建設してきた。2013年1月現在、運転中の原子力発電ユニットは16基合計1,093万kWで、国内総発電量の約2割(2011年)を占める。

1990年の電力自由化・民営化後、新規建設は滞ってきたが、2000年以降、石油、天然ガス資源の枯渇問題が顕在化し、政府は、原子力開発の再始動を打ち出した。政府は2008年に原子力白書を発表し、新規建設の推進を決定した。2011年には、原子力開発に関する国家政策声明が議会で承認され、既設の8つのサイトが新規建設の候補サイトとして選定された。さらに2012年には、原子力も含めた低炭素電源への投資促進を目的とした電力市場改革を内容としたエネルギー法案(「電力自由化動向」の項参照)が議会に提出された。

電気事業者もこの政府政策に呼応し、合計1,600万kWにのぼる建設計画を発表し、重電メーカとの協議やサイトの確保など建設に向けた準備を開始した。建設計画で先行するフランスEDFの子会社であるEDFエナジー社は、2地点640万kWの建設計画を打ち出す一方、日立傘下のホライズン社は、2地点600万kW、またスペイン・イベルドローラ社とフランスGDFスエズ社の合弁会社であるNuGen社は、1地点360万kWの建設計画を発表している。

福島事故後も原子力推進政策は変わらず

政府の原子力推進の方針は、福島事故後も変わっていない。事故後、既設炉の安全確認や追加対策の検討が安全規制当局によって実施されたが、既設炉の運転を制限する必要のないことが確認された。また、新規建設についても、エネルギー担当大臣が「英国の繁栄は原子力発電なくしては困難」とし、原子力推進の方針を再確認した。

一方、電気事業者も大半は新規建設計画を維持している。EDFエナジー社は、ヒンクリーポイント・サイトでのEPR2基の建設に向けて、2012年冬には原子力安全当局からサイト許可と設計承認、また2013年3月には政府から計画認可を受け、着々と準備を進めている。一方、ホライズン社を設立したドイツRWEとEONは、本国ドイツでの脱原子力政策の煽りを受けて計画を断念、2012年には日本の日立製作所にホライゾン社を売却した。

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