7.電気事業体制

国有企業を分割民営化:現在は大手6社に集約

英国では、1990年に、電力自由化と同時に国有電気事業者の分割・民営化が実施された。それまで発電と送電を独占していた国有の発送電局(CEGB)は発電会社3社と送電会社1社に分割・民営化された。また12の国有配電局も民営化され配電会社となった。

また、自由化によって新規参入が相次ぎ、2013年現在、発電会社127社、小売会社105社(ライセンス所有者の数であり、積極的に事業を行っている会社はその半分程度)が事業を展開している。

この民営化・自由化による競争の進展とともに、M&Aが活発化し、英国の大手電力会社はドイツ、フランス、スペインの大手エネルギー会社に買収された。この内、CEGBから分割されたイノジー社、パワジェン社はそれぞれドイツのRWE、E.ONに、また、スコティッシュ・パワー社はスペインのイベルドローラに、さらに、原子力発電会社のブリティッシュ・エナジー社はフランスのEDFにそれぞれ買収された。

12の配電会社(小売事業)も、その多くがこれらエネルギー会社の傘下に入った。その結果、英国の旧国有電気事業者(送電部門を除く)は、RWE系(ドイツ)、E.ON系(ドイツ)、EDF系(フランス)、SSE系(英国)、イベルドローラ系(スペイン)の5大グループに集約された。これに電力市場でシェアを伸ばしている旧国有ガス事業者(ブリティッシュ・ガス)が加わり、英国の電力市場は6大グループに集約され、これらが小売市場で95%、発電市場で70%のシェアを占めている。また、英国では電力市場の自由化に先立って、ガス市場も自由化されたことから、これらの大手電力会社はガス事業にも進出しており、電気とガスの販売を行っている。

M&Aの理由としては、顧客ベースの拡大を狙った供給部門間の水平統合、価格リスクをヘッジするための発電と供給の垂直統合などがある。また、EDFによるブリティッシュ・エナジーの買収は、原子力発電所の新規建設に向けて原子力サイトや人材を確保する狙いがあったと言われている。

送電・配電のネットワーク部門では、前述の分割民営化で所有分離された送電会社が、後にガス導管網会社と合併した。また配電会社間の資本統合や経営統合等が行われるなど、スケールメリットを追及した再編が行われた。

系統運用:所有分離されたNGETが運用

前述のように、英国(イングイランド・ウエールズ地方)の送電部門は、分割民営化によって所有分離され送電会社となった後、ガス導管網会社と合併し、現在は送電とガス導管事業を行うナショナル・グリッド社(持ち株会社)となっている。イングランド・ウエールズ地方の送電設備は、同社の送電子会社(NGET)が所有、またスコットランド地方はスコティッシュ・パワー社の送電子会社(SPT)、スコティッシュ・サザン・エナジーの送電子会社(SHET)が所有している。

これら3社の送電系統の運用は、NGET社の系統運用部門が「単一系統運用者」(SO)として実施している。

配電部門は地域毎に14社あり、それぞれが管轄する地域で配電設備を所有・運用している。

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