2.エネルギー政策の動向

世界有数のエネルギー資源国:所有権は州

カナダは世界有数のエネルギー資源国である。石油、天然ガス、石炭、ウランに加えて水力資源も豊富である。石油、天然ガスの主な産出州はアルバータ、サスカチュワン、ブリティッシュ・コロンビアである。エネルギー生産量は国内需要を賄ってあまりあるため、輸出に回されており、カナダの輸出総額の22%を占める。石油や天然ガスの輸出先は主に隣国の米国である。また、近年はシェールガス、シェールオイルの開発が進んでいるが、これらの資源は米国でも豊富であることから、米国以外の国への輸出が計画されている。

カナダの国としてのエネルギー政策は、3つの基本原則、すなわち①市場主義、②州の権限の重視、③必要に応じての連邦政府による介入、に基づいている。

前述の豊富なエネルギー資源の所有権は州にあり、その規制権限も基本的に州にある。そのため、化石燃料資源を含めた連邦レベルでの総合的なエネルギー政策を規定した法規は存在せず、気候変動などの環境政策や連邦権限のある原子力開発などについて、連邦レベルで法規制が存在するにとどまる。

発電は水力中心、余剰電力は米国へ輸出

電力需要は1990年から2009年までの19年間に4,330億kWhから5,034億kWhへと約16%増大した。これは年率平均0.8%の伸びに相当する。部門別需要の比率は1990年~2009年に、産業用が42.2%から36.9%、家庭用が30%から31.8%、商業その他が22.1%から26.2%、行政機関用が2.9%から2.5%、農業用が2%から1.9%、運輸用が0.8%から0.7%と推移した。産業用の比率が小さくなった分、商業その他用の比率が大きくなっている。鉱業や石油・ガス生産、製造業を含む産業用需要は、2005年をピークに漸減傾向にある。

一方、発電は、1990年から2010年までの20年間に4,661億kWhから5,667億kWhへと約22%増大した。2010年の発電電力量の燃料別内訳は、水力が58%と最も重要な電源となっており、続いて原子力15%、石炭15%、ガス9%、その他3%となっている。

カナダは水力資源に恵まれ、歴史的に水力を中心とした電源開発が行われたことから、1950年代には水力発電の比率が95%に達したが、その後火力や原子力の開発も進められ、現在の水準まで低下してきた。2010年の発電量を州別にみると、上位のケベック、オンタリオ、アルバータ3州で全体の68%を占める。

カナダと隣国米国との電力輸出入も盛んである。米国との国際連系線は電圧23万V以上のものが21回線、小規模のものも含めれば100回線を超え、総連系容量は約1,900万kWに上る。国全体としては通常輸出超過であるが、2001年から2003年にかけては輸出が減少する一方で輸入が増大、2003年は輸出入の格差が最も小さくなった。それ以後は再び輸出の増大傾向が続いている。2010年は輸出437億kWhに対して輸入184億kWhで、253億kWhの輸出超過であった。

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