6.電源開発の動向

石炭火力が中心:原子力、再エネ、ガス火力も推進

中国では、近年の著しい経済成長に伴って電力需要が急増し、2002年から電力不足が顕在化し、2004年は全国で3,500万kWの電力が不足した。そのため、電源開発が急ピッチで行われ、2002年以降、毎年5,000万kW以上の発電所が新規に運転開始した。特に2006年には1億kW以上となり、それ以降は年間8,000万~9,000万kWのペースで開発が行われている。発電設備容量は、2001年に3億3,385万kWであったものが、2012年には11億4,400万kWと3倍以上となった。

「エネルギー政策の動向」の項で述べたように、これらの電源の中心は石炭火力であるが、近年は原子力、再エネ、さらにはガス火力電源の開発も進められている。

今後も石炭火力に加えて、これらの電源が開発される予定である。2015年までの電源開発計画を示した「エネルギー発展第12次5カ年計画」では、総設備容量は2015年には14.9億kWで、火力9.6億kW(ガス火力を含まない)、水力2.9億kW、原子力4,000万kW、ガス火力5,600万kW、風力1億kW、太陽光2,100万kWなどとなっている。2010年と比較すると、太陽光は年率89.5%、原子力と風力は年率25%以上で増大する。火力は年率7.8%の伸びにとどまり、全発電設備容量に占める火力比率は2010年に約73%であったものが2015年には65%に減少する。火力のほとんどは石炭火力で、割合は減少するものの、設備容量の絶対値は増えることから、大気汚染等の環境問題への取り組みは、今後さらに重要となる。

急ピッチで進む送電網整備

中国は、石炭資源の76%、水力資源の80%が中・西部に偏在し、東部沿海地域および広東省広州市を中心とした珠江デルタ周辺に電力需要の70%以上が集中している。火力電源は、炭鉱所在地の近傍に建設する、いわゆる坑口発電所により、石炭を電力に変換して需要地へ送ることが基本になっている。このため、中・西部で開発される大型の火力発電所と水力発電所の電力を、できるだけロスを少なくして長距離輸送するため、今後、超超高圧送電線(1,000kV交流、800kV直流)が建設される予定である。また、送電会社の国家電網公司と中国南方電網有限責任公司は、2020年までに各区域間の送電能力を3億kWにまで増大する計画を打出している。特に、国家電網公司は、2020年までに超超高圧送電線を10~15ルート建設する計画である。

送電網整備に力を入れるのは、2000年代初期の電力不足の原因の一つに、送配電網や変電設備といった流通設備の整備不足が挙げられるためである。2000年までは電力投資が発電設備に偏り、発電設備に見合った送電線の構築ができていなかった。そのため、2000年以降の経済成長による電力需要の急増に対して、十分に送電できず電力不足という事態を招いた。2004年頃から、流通設備の整備が急ピッチで進められ、2006年以降は深刻な電力不足はなくなった。

現在もこの流通設備の整備は続いている。2011年度の電力部門の投資額は、前年とほぼ同じ7,393億元で、そのうち電源部門への投資額は対前年比6.49%減の3,712億元に対して、流通設備への投資額は同6.77%増の3,682億元となった。

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