2. 地球温暖化防止政策動向

2020年の温室効果ガス削減目標は未達の見通し

ドイツは1990年の東西ドイツ統一後、旧東ドイツ地域での老朽工業設備や火力電源の閉鎖、再エネ大量導入により、温室効果ガス(GHG)排出の削減を進めてきた。2008年から2012年にかけてのGHG排出量削減の年平均値は24.2%となり、京都議定書の削減目標(同21%)を達成した。

さらに政府は2020年までに1990年比で40%削減するという目標を設定した。これはEU大での達成目標20%を大幅に上回る野心的なものである。

しかし、旧東ドイツ地域の発電設備や工業設備の整理が一息ついたため、削減ペースは鈍化傾向を見せている。GHG排出量の8割以上を占めるCO2の削減量は、1990年から1995年の間には1億1,110万トンであったが、1995~2000年の間には3,940万トン、2000~2005年の間には2,700万トン、2005~2010年の間が3,750万トンとなっており、次第に削減が難しくなってきている。2017年のGHG排出量は9億470万トンであり、1990年比の削減率は27.7%となった。部門別でみると、エネルギー部門では再エネ発電の増加、石炭火力発電の減少等により前年比4.1%減となっている。しかし、好景気を背景として輸送部門、工業部門ではそれぞれ前年比2.3%、2.5%増加したため、全体としては前年比0.5%の減少にとどまった。現状では2020年時点でのGHG削減率は1990年比で35~38%にとどまり、政府目標の40%には届かない見込みである。目標未達分を早期に削減するため、2018年3月に発足した新政権(第4次メルケル政権)は再エネ導入を加速させる方針を明らかにしている。また、GHG排出削減のための包括的な施策を盛り込んだ行動計画を2018年末までに発表する予定である。同計画では2030年目標(GHGを1990年比で55%削減)を達成するための施策や、褐炭・石炭火力の全廃時期、発電所の具体的な閉鎖計画等が明示される。

 

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