8.電力自由化の動向

1991年のラオ政権発足後、インドは経済自由化路線に舵を切り、公的セクターが独占していた産業への民間参入や外資規制の緩和などの経済改革が行われた。この経済改革を機に、インドの電力部門でも電力自由化が始まった。

1990年代初めに行われた電力改革では、政府は、経済の急成長に伴う電力不足の問題に対応するため、IPPの導入といった発電部門中心の規制緩和策を積極的に採用した。しかし、インドビジネス特有の許認可手続きの煩雑さや、電力の購入先となる州電力局の財務状況の悪さから、民間投資は思うように進まず、電源開発は期待通りに行われなかった。

この反省を踏まえ、1990年代後半から2000年代にかけての一連の電気事業改革では、配電部門の効率化や電気料金体系の整備に主眼が置かれるようになっている。2003年には電力改革の基盤となる電気法が改正され、州電力局の分割や電気料金の合理化、水力発電以外の認可制の廃止、送配電系統へのオープンアクセス等が定められた。さらに2005年には「国家電力政策」、2006年には「電気料金政策」が公表され、この中で制度改革の具体的な方針が示された。これらの改革の実行権限は州政府にあるが、民主主義を重んじるインドにおいては、各州の経済状況(特に貧困層の比率)や農業部門の比率、労働組合の強さ、州首相のリーダーシップの強さなどが州の政策に与える影響は大きく、改革の進展状況や、州電力局の発送電分離の形態などの供給体制は州によって異なっている。

政策的に安く抑えられた電気料金

電気料金水準は低く、特に、農業用料金は政策的に安く抑えられている。このため、配電会社はコストの8割程度しか回収できておらず、不足分の一部は州政府からの補助金が充てられているものの、配電会社の累積赤字が年を追うごとに膨らんでいる状況である。配電部門の赤字問題は、特に発電部門での新規参入の妨げとなることから、供給力不足と並んでインドの電気事業の重要課題のひとつとなっている。農村地域は選挙の大票田であるため、電気料金の改定が中々実施されない状況であったが、中央政府による料金政策が徐々に浸透し、近年、各州で少しずつ電気料金改定に踏み出す動きがみられるようになった。2012年は配電会社の経営が危機的状況に陥っていることがメディアでも頻繁に取り上げられ、ほぼ全ての州で電気料金が改定され、平均で10%以上の値上げとなった。

電力供給体制

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