2.エネルギー政策の動向

エネルギー輸入依存度の上昇

韓国は、1970年代から造船など重化学工業を中心とした産業開発により経済の基盤を築き、その後、1980~1990年代を通じて実施した高付加価値型産業の育成などにより高度成長を遂げた。その結果、1997年にはOECDの仲間入りを果たした。こうした経済成長やモータリゼーションの発達などにより、1970年以降、エネルギー消費量が飛躍的に増加した。最終エネルギー消費量は、石油危機が発生した1973年の17.4Mtoe(石油換算100万トン)から2011年の161.0Mtoeへ、この38年間に9.3倍に拡大している。

一方、エネルギー供給は、そのほとんどを輸入に頼っているが、国内資源が乏しいため年々輸入依存度が増加する傾向にある。輸入依存度は、1973年の66.8%から2011年の85.7%に上昇している。

2030年に再エネの比率を11%、石油ガスの自主開発比率を40%に引き上げる方針

このような状況を反映して、これまでに様々なエネルギー政策が実施された。1970年代には、2度の石油危機が発生したことから、脱石油化が推進され、併せて省エネルギーが促進された。1990年代には、社会・経済の構造改革が進められ工業部門が多様化するとともに、公益事業改革が進められ、エネルギー部門の改革が開始された。

エネルギー部門の改革では、1993年にエネルギー産業に対する規制緩和が進められ、政府のエネルギー価格への過度な介入が抑制された。さらに、アジア通貨危機の影響を受けた1998年には、エネルギー産業の構造改革が重視され、電力部門の分割・民営化が推進された。

近年においては、「気候変動枠組条約」の批准(1993年)に伴い1998年に国別報告書を国連に提出するなど、地球規模の環境問題に対する関心が急速に高まっている。また、原油価格の高騰や中国、インドの経済発展に伴う資源争奪戦が激化している。

こうした情勢下において現在のエネルギー政策は、国内外の情勢の変化、とりわけ市場自由化の進展、エネルギー市場のグローバル化による国際競争の激化、エネルギー安全保障あるいは環境問題の高まりなどを反映して、「エネルギー・経済・環境」(3E)の調和を重視したものになっている。

知識経済部(MOKE:2013年3月に産業通商資源部(MOITR)に改組)が2008年に策定した「第1次・国家エネルギー基本計画」(2008~2030年)では、環境負荷の低い低炭素社会の実現と安定した経済成長を遂げていくことが基本方針になっている。この基本計画は、李明博政権が打ち出した社会・経済政策である「低炭素グリーン成長国家戦略」に基づき策定されたもので、2030年の主要な目標が、①エネルギー原単位(エネルギー消費量/GDP)を0.185に引き下げる(2007年は0.341)、②エネルギー供給量に占める化石エネルギーの比率を61%に引き下げるとともに、供給量に占める再エネの比率を11%に引き上げる(2007年はそれぞれ83%、2.4%)、③グリーン技術などエネルギー技術の水準を世界最高レベルに引き上げる、④石油・ガスの自主開発率を40%に引き上げる(2007年は4.2%)などとなっている。

また、「国家エネルギー基本計画」を補完するものとして作成された2008年の「エネルギー・ビジョン:エネルギー政策の方向性と開発戦略」では、①環境に優しいエネルギー需給システムの構築、②原発を中心とする安定的なエネルギー供給基盤の確立、③エネルギー関連技術による輸出産業(特に原発と再エネ)の育成などを推進することが計画されている。

以上のようなエネルギー政策により、政府は、今後のエネルギー需要の増加率を年率2~3%に抑えるとともに、エネルギー源や輸入国の多様化を図ることを目指している。

なお、政府は、2030年に最終エネルギー消費量が388.9Mtoeに達すると予測している。また、今後、石油依存度が低下する一方、原発や再エネの開発が進むことから、2030年には最終エネルギー消費量の構成が石油43.8%、電力22.8%、都市ガス12.4%、再エネ10.4%、石炭9.5%、その他1.1%になると予測している。

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