7.電気事業体制

KEPCOの発電子会社設立と卸電力市場の創設

1982年の電力国有化後、発送配電を独占していた韓国電力公社(KEPCO)は1989年に株式公開し、企業形態としては株式会社となったが、株式公開は最大49%に限定され、いまだに政府が株式の51%を保有している。

1990年代に入ると公営企業に対する規制緩和が開始され、1995年に「民間資本発電事業・基本計画」が発表された。この計画に従い、2001年からKEPCOに売電するIPPが発電部門に参入を開始した。

また、1997年にはアジア通貨危機が発生し1998年に経済危機に陥ったが、政府は経済の立て直しのため国際通貨基金(IMF)の指示に従い金融、企業(財閥)、公共部門、労働の4部門を対象に構造改革を進めた。電力部門についてもKEPCOの分割・民営化が検討されることになった。その結果、2000年に「KEPCO再編法」と「改正電気事業法」の2法案が国会で可決された。この法案に従いKEPCOを発電、送電、配電部門に分割し、卸電力市場や小売市場を創設することが計画された。また、発電と配電部門を対象に民営化することが計画され、複数の発電会社や配電会社(地域別の配電会社)の設立が検討された。

その結果、2001年にKEPCOの発電部門が分割され、併せて卸電力市場が創設されることになった。KEPCOの発電部門は6社に分割された。一般水力と原子力を保有する水力原子力発電会社(KHNP)と揚水と火力発電所を保有する5つの発電会社、すなわち南東発電会社(KOSEP)、中部発電会社(KOMIPO)、東西発電会社(KEWESPO)、西部発電会社(KOWEPCO)および南部発電会社(KOSPO)に分割された。なお、KHNPを除く5社への発電所の分割は、資産価値や設備容量が均等になるように配分されたため、各社が所有する発電所は同一地域にはなく、全国に点在している。

また、2001年に卸電力市場が創設され、韓国電力取引所(KPX)が設立された。さらに、円滑な競争市場への移行や市場機能の確保を目的とした独立規制機関として、韓国電力委員会(KEC)が設立された。同委員会の主要な任務は、①電力市場の運営に関する基準の施行と電気事業者の認可(事業ライセンス発行)、②公平な競争の促進、③消費者利益の保護、④電力市場の監視、⑤電気事業の再編などである。

KEPCOを分割した結果、KEPCOは送電、配電および小売事業を担当することになったが、離島など送電系統から孤立した地域の発電所は、引き続きKEPCOが所有・管理することになった。

なお、配電部門の改革は、KEPCOの労働組合の強い反対を受け中断することになった。政府は、2004年の公式発表で、「配電部門の分割及び小売市場の創設を中断する」ことを表明した。ただし、政府は、引き続き公営企業の民営化を推進する方針であり、電力部門についても改革を検討している。2008年に発足した李明博政権は、298の公益企業を対象に民営化や統廃合を検討し、電力部門においても配電部門の分割・民営化などが各種の委員会で論議された。また、現政権も引き続き公益企業改革を検討している。

現在の電気事業体制

現在、発電部門には、KEPCOの発電子会社6社のほか、IPP(6社)、韓国水資源公社(KOWACO:通称K-Water)、熱供給事業者を初めとする卸電気事業者、風力や太陽光発電所を所有する再エネ事業者があり、KPXを通じた電力取引やKEPCOとの電力売買契約(PPA)に基づく売電を行っている。なお、政府の方針に基づき、KEPCOの発電子会社の民営化(KNHPを除く5社を対象にした株式上場)を目指しているが、2013年7月末現在、発電子会社の株式は全てKEPCOが保有している。

卸電力市場は、2001年4月に開設され、給電部門を担当するKPXによってコストベース・プールに基づいた強制市場(基本的に発電事業者は全て市場に参加)が運営されている。なお、KPXが設立した2001年以前にKEPCOと電力売買契約を結んだIPP、あるいは再エネ事業者は市場への参加が任意となっている。

送配電と小売りはKEPCOが担当している。

電気料金に関しては、発電部門は卸電力市場により市場価格が反映されるが、KEPCOの小売料金は認可料金であり、料金改訂には政府の認可が必要である。

系統運用

系統運用は、KEPCOの送電部門が行っている。KPXが前日に作成した1時間毎の発電量に基づき、事前に登録した発電事業者の中から発電コストが安い事業者を選定し、選定した事業者に運転指令を出している。

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