2.エネルギー政策の動向

世界有数の化石燃料資源国:重要な外貨収入源

ロシアは、天然ガスの埋蔵量で世界1位、石炭で2位、また石油では8位を占める世界有数の化石燃料資源国である。これらの化石燃料はロシアにとり貴重な輸出品であり、外貨収入源となっている。総輸出額に占める燃料エネルギー(電力を含む)の比率は70.3%(2012年1~11月期)である。

2009年11月に制定された「2030年までのロシアのエネルギー戦略」では、このような資源輸出型からイノベーション型への移行という方針を打ち出し、エネルギー部門に対して経済のイノベーション型発展を支え得る、技術革新に基づいた効率的な事業運営を求めている。エネルギー資源およびエネルギー部門の潜在力を最も効率的に利用することで、経済の持続可能な発展や国民生活の質的向上、対外経済関係における地位向上などの課題の実現を支援することが政策の目標とされている。

エネルギー輸出では、原油・天然ガスなどの原料に代え、付加価値の高いエネルギー製品・関連技術の比重を高める構造変化を求めており、LNGや原子力技術は重要な輸出商品と位置付けられている。輸出先についても、従来の欧州中心から、需要の大幅増加が見込まれるアジア太平洋地域に移行する方針を定めている。天然ガスについては、その後国内市場重視の方針も打ち出されているものの、LNGを含め増産・輸出増の方針は堅持されている。

燃料生産の実績は2008年の金融危機後に一時落ち込むものの、その後は増勢を維持している。2012年の原油(ガスコンデンセートを含む)生産量は5億1,700万トン(前年比1.2%増)で、1990年以降の最高値となり、石炭も3億5,400万トン(同5.2%増)と好調であった。一方、天然ガスは、内外需要の落ち込みにより前年比2.5%減の6,530億m3であった。

ガスは欧州中心に輸出

燃料輸出については、石炭が2012年(1~11月)実績で前年比17.5%増加しているものの、原油が前年比2.3%減、天然ガスが同4.4%減と減少している。特に欧州市場ついては、米国のシェールガス革命の影響による競争の激化や欧州の需要自体の減退が輸出減少の原因とされている。

その中でロシアは、天然ガスの欧州向け輸出ルート確保の取り組みを続けており、バルト海経由で欧州(ドイツ)に直接供給するノルドストリーム・ガスパイプライン(最終輸送容量550億m3/年)では1期工事分(輸送容量275億m3/年)の運開(2011年11月)に続き、2期工事分も2012年10月に運開した。また、同じく国際プロジェクトとして進められている黒海経由の南回りルートのサウスストリーム・ガスパイプライン(輸送容量630億m3/年)も2012年12月に海底部分が着工した。

発電はガス火力中心

発電では、天然ガスへの依存が大きな特徴となっている。2011年の発電電力量1兆548億kWh(前年比1.6%増)のうち、火力が7,166億kWhで67.9%を占める。発電・集中暖房用の燃料消費量のうち、天然ガスが71.7%を占めている。

また、電力の大消費地で燃料資源の乏しいロシア欧州(欧ロ)地域への電力供給、さらにはガス発電偏重の軽減のため、原子力開発も進められてきており、2012末現在33基2,500万kWと世界第4位の原子力発電国となっている。2011年の発電電力量は1,729億kWhで16.4%を占める。

水力開発では東部のシベリア地域を中心に進められてきた大容量水力の建設もひと段落しており、近年では欧ロ地域での揚水建設にも力が入れられている。早2011年には水力1,653億kWh、発電の15.7%を占める。

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