4.再生可能エネルギー導入政策の動向

スペインは世界有数の再エネ発電国に

「エネルギー政策動向」の項で述べたように、スペインは、早い時期から再エネ開発に積極的に取り組んできた。スペインでは1992年に初めて再エネ電源の導入計画が策定された。その後、同計画は数年に一度改定され、新たな再エネ導入目標が設定されてきた。

その結果、現在スペインは世界有数の再エネ発電国となっている。特に近年は風力や太陽光、太陽熱の電源が大量に設置された。2012年現在、風力は2,260万kWで世界4位、太陽光は、一時、世界一の規模であったが、現在は450万kWで世界6位、太陽熱は188万kWとなっており、これらの再エネ電源は水力を含めてスペインの総発電設備の36%、また総発電電力量の33%(2011年)を占めるに至っている。

今後も政府は再エネ開発を継続する計画である。2011年「再エネ国家行動計画」(2011~2020年)では、2020年に陸上風力を2010年比で1.7倍の3,500万kWに、太陽光は同1.9倍の725万kW、太陽熱は同7.6倍の480万kW、バイオマスは同2.4倍の195万kWと大幅に増大する計画である。太陽熱は2007年に初めて導入され、太陽光に比べて導入が遅かったが、2020年には発電電力量では太陽光を上回ると予測されている。また洋上風力は2013年、潮力は2016年、地熱は2018年からそれぞれ導入を開始し、段階的に増加して行く計画である。

FITで開発を推進:電力会社には巨額の赤字

この再エネの大規模開発をもたらしたのは固定価格買取制度(FIT)である。スペインでは1994年から導入されており、電力会社に対して、再エネからの発電電力を高い価格で買い取ることを法律で義務付けた。

買取価格は再エネ開発促進のため、2007年までは段階的に引上げられたが、それ以降は引下げられている。太陽光の買取価格は2008年に一部引下げられ始め、2011年にさらに5~45%引下げられた。また風力も2007年以降に設置された風力発電設備に対して買取価格の引下げや買取中止などが2010年に実施された。さらに2012年には、再エネ発電の買取を一時的に停止したが、2013年7月現在も停止は続いており、終了次期は不明である。

買取価格の引下げ、買取停止の大きな理由は、政府が買取コストの電気料金への転嫁を認めず、電力会社が電気料金を値上げできないことから、電力会社が巨額の赤字を抱えるに至ったためである(2013年5月までの累積赤字額は260億ユーロ)。この赤字を解消するため、政府は2009年以降、赤字の証券化、買取価格の引下げに加えて、買取期間の短縮や再エネ電源の設置の制限などの措置を実施しているが、未だ赤字は増大を続けている。

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