2.エネルギー政策の動向

シェールガス革命

米国は長らく世界最大のエネルギー生産国にして消費国であり、エネルギー輸入大国でもあった。その米国が非在来型の天然ガスであるシェールガスやシェールオイルの登場によって大きく変貌しようとしている。これまで頁岩(シェール)と呼ばれる固い岩盤層に含まれる天然ガスや原油は採掘が困難とされていたが、採掘技術の革新により採算性が向上、生産が本格化している。国際エネルギー機関(IEA)は最新の「世界エネルギー見通し2012年版」で米国が2035年にもエネルギー自給を達成するかもしれないと予測している。

シェールガスの増産をもたらしたフラクチャリング(水圧破砕)という採掘手法については、一部環境影響の懸念が表明されたことから、関係当局による調査や規則策定が進められている。環境保護局(EPA)はフラクチャリングの飲料水への環境影響調査を実施中であり、2014年に調査結果を発表する予定である。連邦土地管理局(BLM)は国有地でのシェールガス開発にともなうフラクチャリングの安全基準について改正案を2013年5月に発表した。

シェールガスの増産に伴いLNG輸出の是非をめぐる論議も活発化している。米国では自由貿易協定(FTA)締結国以外の国に対する天然ガスの輸出にはエネルギー省(DOE)の認可を必要とする。DOEは2012年12月にLNG輸出の経済影響評価に関する委託調査の結果を発表し、LNG輸出は米国経済に広くプラスとなり、国内天然ガス価格に対する影響はほとんどないと結論付けた。2013年5月、DOEはフリーポートLNG 社のFTA非締結国向けLNG輸出計画を承認した。同輸出計画には中部電力と大阪ガスが参加しており、2017年にも日本への輸出が開始される見通しである。

クリーンエネルギーの推進

2009年に誕生したオバマ政権は当初風力、ソーラーといった再生可能エネルギー(グリーンエネルギー)の利用促進や環境関連技術への投資を景気回復、雇用創出の柱の一つとして位置づける「グリーン・ニューディール政策」を掲げていた。その後これに原子力、天然ガス、クリーンコールを加えてクリーンエネルギーと定義し、それらへの投資拡大、利用促進を図ることでエネルギー供給の安定化、エネルギー・セキュリティの改善、雇用の創出を図るとする政策を進めている。

その基本戦略は、国内の利用可能なあらゆるエネルギー資源を活用してエネルギー自給を高め、最終的に外国石油への依存を軽減していくとするエネルギー戦略(all-of-the-above energy strategy)である。

沖合油田開発については、メキシコ湾西部とアラスカ州沖を限定的に許可するとしているが、石油業界からはさらなる開放の要求が出ている。

再生可能エネルギー(以下、再エネ)は税制面での支援策によって開発が進んでいる。風力発電への発電税額控除(PTC:「再エネ政策」の項参照)は 2012年12月末で期限切れであったが、議会は最終的に1年間の延長を決定した。今回の延長措置でPTCの対象は2013年末までに(運転を開始ではなく)建設を開始する設備となったことから、風力開発をさらに後押しするものと予想される。

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