3. 再生可能エネルギー導入政策・動向

風力やソーラー発電が大幅増大

米国における再エネ開発、とりわけ風力およびソーラーは近年目覚ましい伸びを示している。

2016年の再エネ発電設備容量(水力を除く)は2006年の2,370万kWから5.6倍増大して1億3,254万kWとなり総発電設備の12.2%を占めた。また2016年の同再エネ発電電力量は2006年の965億kWhから3.7倍増大して3,604億kWhとなり総発電電力量の8.8%を占めた。

2016年の再エネの内訳では、風力発電が発電設備容量で61%、発電電力量で63%と圧倒的シェアを占めている。2016年における風力発電設備容量は8,129万kWであり、設置容量の多い上位5州はテキサス州、オクラホマ州、アイオワ州、カリフォルニア州、カンザス州であった。北東部ロードアイランド州で全米初となる洋上風力発電所であるブロック島風力発電所(6MW×5基)が2016年12月、運転を開始した。

ソーラー発電(太陽光および熱)については、発電設備容量および発電電力量とも近年の伸び率は目覚ましく、再エネの中でのシェアは2016年においてそれぞれ26%および15%を占めるに至った。ソーラー発電設備全体の約58%はカリフォルニア州が占めており、次いでノースカロライナ州、アリゾナ州、ネバダ州、ニュージャージー州などが続いている。

連邦の再エネ支援策

連邦レベルの主要な再エネ促進支援策としては、発電電力量に応じて連邦法人税が控除される発電税額控除(PTC)や投資額の一定比率が連邦法人税から控除される投資税額控除(ITC)などの優遇税制が挙げられる。PTCは主として風力発電を対象としており、2014年末に期限切れとなっていたが、2015年12月に2019年まで5年間延長された。控除額は2.3セント/kWhで、2017年以降毎年20%ずつ減額され、2020年以降PTCはなくなる。主としてソーラー発電を対象とし、 有効期限が2016年末までであったITCも延長され、税額控除率は2019年まで30%、2020年26%、21年22%と引き下げられ、22年以降10%に固定されることになっている。

州の再エネ支援策

 州レベルでは供給電力の一定割合を再エネ電力で賄うことを義務付ける再生可能エネルギー利用基準制度(RPS)が再エネの利用拡大に貢献しており、2018年3月現在29州およびワシントンDCで導入されている。

近年このRPSの設定目標を引き上げる動きがいくつかの州でみられる。ハワイ州は2015年6月、これまでの「2030年までに40%」を「2045年までに100%」とする目標に一気に引き上げた。バーモント州は2015年6月、「2017年までに20%」という従来の拘束力のない目標を「2032年までに75%」とする拘束力のある目標に改めた。カリフォルニア州はこれまで野心的といわれた「2020年までに33%」とする目標を2015年10月、「2030年までに50%」とする目標にさらに強化した。ニューヨーク州は11月23日、「2015年までに29%」というこれまでの目標を「2030年までに50%」とする新たな目標に改めた。

一方、一部のRPS導入州で目標を修正する動きもみられた。オハイオ州は、2024年までに12.5%という再エネ目標を2014年に2年間凍結し、2026年までに12.5%とする目標に改めたカンザス州は2020年までに20%という拘束力のあるRPS目標を設定していたが、2015年5月、これを拘束力のない目標に変更した。カンザス州の電気事業者は20%のRPS目標をすでにクリアしており、RPS制度の使命はすでに終わったとの主張もあった。

州レベルのもう一つの主要支援策として、家庭や企業の再エネ自家発余剰電力を電気事業者が小売料金の価格で買い取るネットメータリング制度がある。同制度はソーラーパネルの価格低下と相まって、ルーフトップ型太陽光発電の設置増大に大きく寄与している。しかし、こうした分散型再エネ自家発電源の急激な増大によって電気事業者の側に配電費用の回収不足や売り上げ減少といった問題が顕在化してきたため、ハワイ、ネバダ、インディアナなど一部の州で余剰電力の買取価格の引き下げや再エネ自家発需要家向けの基本料金の引き上げが実施されている。

ネットメータリング制度は一時43州およびワシントンDCで導入されていたが、2017年11月現在では38州およびワシントンDCとなっている。

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