4. 原子力開発動向

米国は世界に先駆けて原子力開発を手掛けた国で、現在世界一の原子力発電国である。2017年10月現在、30州において60発電所、99基(BWR34基、PWR65基)の原子炉が運転されている。基数は1990年の112基をピークに減少しているものの、出力増強や設備利用率向上によって発電電力量は2010年に8,070億kWh(総発電電力量の19.6%)と過去最高を記録した。その後発電電力量は8,000億kWh前後で推移し、19%から20%のシェアを維持しており、ガス火力、石炭火力に次ぐ基幹電源の役割を依然として担っている。

新設気運は沈静化

新規建設は1979年のスリーマイル島(TMI)事故以来、反対運動に加えて電力需要の鈍化もあって停滞してきた。しかし、2000年以降のエネルギー・電力需要の増大を受けて、2001年にはブッシュ政権が国家エネルギー政策で原子力推進を謳うとともに、2005年の「エネルギー政策法」では新規建設に対する財政支援策が盛り込まれ、原子力新設の気運が高まった。

この政策支援を受けて電気事業者の建設計画が相次いだ。2012年にはボーグル3、4号機(サザン社)およびV.C.サマー2、3号機(サウスカロライナE&G社)に対して建設運転一括許可(COL)が発給され、34年ぶりとなる新設許認可が実現した。

しかし一方で、シェールガスの生産増大で天然ガス価格が低下し卸電力価格が低下していること、経済の停滞で将来の電力需要の鈍化が予想されることなどから、新規建設計画を取りやめたり、先送りしたりする電気事業者も出てきており、一時の新設気運からは後退している。

また運転中の原子力発電所についても、経済性低下を理由に出力増強計画をキャンセルしたり、閉鎖を発表したりする原子炉もある。2018年3月現在、閉鎖が発表され、すでに停止した原子力発電所としてはクリスタル・リバー3号機(デューク・エナジー社)、キウォーニ1号機(ドミニオン社)、サンオノフレ2、3号機(SCE社)、バーモント・ヤンキー(エンタジー社)、フォートカルフーン(オマハ電力公社)がある。

閉鎖が発表されているもののまだ運転中の発電所としてオイスタークリーク(エクセロン社、2018年10月まで)、ピルグリム(エンタジー社、2019年5月まで)、スリーマイルアイランド1号(エクセロン、2019年9月まで)、インディアンポイント2、3号(エンタジー、それぞれ2020年4月、2021年4月まで)パリセード(エンタジー、2022年4月まで)、ディアブロキャニオン1、2号(PG&E、それぞれ2024年11月、2025年8月まで)、デービスベッセ(ファースト・エナジー、2020年まで)、ペリー(ファースト・エナジー、2020年まで)、ビーバー・バレー1、2号(ファースト・エナジー、それぞれ2020年まで)がある。

なお、閉鎖が予定されていたフィッツパトリック(エンタジー社)およびクリントン(エクセロン)、クァドシティーズ(エクセロン)はそれぞれニューヨーク州およびイリノイ州の支援策により運転継続となっている。

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