5.原子力開発の動向

米国は世界に先駆けて原子力開発を手掛けた国で、現在世界一の原子力大国である。2013年4月現在、104基(BWR35基、PWR69基)、約1億kWの原子力発電所を運転中である。基数は1990年の112基をピークに減少しているものの、出力増強や設備利用率向上によって発電電力量は2010年に8,070億kWh(総発電電力量の約20%)と過去最高を記録した。

新設気運は沈静化

新規建設は1979年のスリーマイル島(TMI)事故以来、反対運動に加えて需要の鈍化を受け停滞してきた。しかし、2000年以降の需要の増加を受けて、2001年にはブッシュ政権が国家エネルギー政策で原子力推進が盛り込まれ、2005年の新規建設に対する財政支援策を含む「包括エネルギー法」により原子力推進へと転換した。

この政府支援を受けて電気事業者の建設計画が相次いだ。2012年にはボーグル3、4号機(サザン社)およびV.C.サマー2、3号機(サウスカロライナE&G社)に対して建設運転一括許可(COL)が発給され、34年ぶりとなる新設許認可が実現した。

しかし、シェールガスの生産増大で天然ガス価格が低下していること、経済の停滞で将来の電力需要が伸びないと予想されることなどから、新規建設計画を中止したり、先送りしたりする電気事業者も出てきている。当初18件28基だった新規建設の許認可申請は、その後8件13基に減少、一時の推進気運が後退している。

また運転中の原子力発電所についても、経済性を理由に出力増強計画をキャンセルしたり、閉鎖を発表する原子炉もある。すでに閉鎖が発表された原子力発電所としてはクリスタル・リバー3号機(デューク・エナジー社)、キウォーニ1号機(ドミニオン社)、サンオノフレ2、3号機(SCE社)がある。

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