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[EU・ベルギー] 欧州委、原子力稼働延長へのベルギー政府の支援を認可

2017年4月6日

EUの欧州委員会は2017年3月17日、ベルギー関係当局が同委員会に申請していた3基の原子力発電所(合計出力:約183万kW)の稼働延長に係る支援を認可すると発表した。
3基の内訳は、仏エネルギー大手Engieの子会社エレクトラベル社と仏電力大手EDFが共同所有するチアンジュ1号機(出力:96万kW、運転認可期間:2025年9月末)と、エレクトラベル社単独所有のドール1号機(出力:43万kW、運転認可期間:2025年2月14日)および2号機(出力:43万kW、運転認可期間:2025年11月末)。
ベルギー政府は2014年と2015年、総額約13億ユーロの追加投資を行うことを条件に、40年間の運転認可期間を10年延長することを同発電所の所有者と合意した。
政府は、発電所の所有者による投資の見返りとして、この合意の後、
1)合意期間より早期に同原子力発電所の閉鎖を政府が求めた場合
2)現行の原子力税の課税水準を変更した場合
3)合意で示された経済パラメーターを変更した場合
のいずれかに当たるときには当該発電所の所有者に補償金を支払うことを保証していた。
EU条約では、EU加盟国はエネルギー・ミックスや原子力技術に対する投資について自由に決定することができるとされているが、一企業を公的資金で支援する場合には、欧州委はその支援がEU域内の単一市場における競争を阻害するものでないかをEUの国家補助規制に照らして審査することになっている。
今回の審査はこの観点から実施されたが、欧州委はこの保証は国家補助に当たるものの、ベルギー政府が電力市場で独占的な立場にあるエレクトラベル社に対し、当該発電所への出資割合に応じた発電量を電力市場に売却することを義務付けたことにより同国の電力市場に過度な歪みが生じないことが確認できたとして、今回の稼働延長に係る支援を認可するに至った。
ベルギーでは2003年に新規の原子力発電所の建設と40年を超えた既存原子力発電所の運転を禁止する法律が制定されたが、供給力不安などから今回の原子力発電所3基の稼働延長を認めた経緯がある。

 

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