海外電力関連 トピックス情報

[欧州] ロシアのガスプロム、ウクライナの事業者に巨額の支払い命令

2018年3月20日

2018年3月1日の現地報道によると、ロシアのガス事業大手ガスプロムからウクライナの天然ガス事業者Naftogazに46億3,000万ドル(既支払額を除いた残余支払額は25億6,000万ドル)を支払うことを命じる仲裁判断が、ストックホルム商工会議所より出された。
これは、2014年以降クリミア半島を巡ってロシアとウクライナの緊張関係が続くなか、ガス供給においても契約条件や契約の履行を巡って係争となり、仲裁の申し立てを行っていたことによるもの。
この裁定に反発し、ロシア側は、3月1日から予定されていたガス供給の再開を延期するとしており、報道では、寒波により影響を受けている欧州が、さらにガス不足に見舞われているとしている。
また、欧州委員会のショフチョビッチ副委員長(エネルギー担当)はウクライナ首相やNaftogaz社CEO、ロシアのエネルギー大臣と連絡を取り合うなど仲介に乗り出していることが3月5日の報道で取り上げられている。
ただ、ウクライナを経由するガスパイプラインルートのほか、ガスプロムが進めるパイプラインルートについては、その導入を加速する動きに関する報道がみられる。
黒海を通過する計画であった「サウス・ストリーム」ルートにおいては、2018年2月28日、ガスプロムがセルビアの事業実施会社(South StreamSerbia)の全株式を取得すると報じられている。
このサウス・ストリームについては現在実施中止が決定されているが、さらに南方からトルコを経由してガスを送るパイプライン(Turkish Stream,ターキッシュ・ストリーム)が検討されており、今回のセルビアルートはターキッシュ・ストリーム完成後、ブルガリアからセルビアにガスを供給するのに用いられる予定。
他方、バルト海を通過するルートにおいては、「ノルド・ストリーム2」の建設が進められているが、反対する声も多い。
そんな中、2018年2月27日の報道では、建設に協力しているドイツのUniperや独大手化学メーカーBASFの子会社Wintershall社、オーストリアのOMV社のCEOは連名で出した文書で、「ノルド・ストリーム2は、感情的な反対意見に屈することなく、建設を進めるべき」と表明していると報じられている。

【情報提供:一般社団法人海外電力調査会】 

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