海外電力関連 トピックス情報

[英国] ウェールズ南部の潮汐発電開発計画、補助金獲得ならず

2018年7月23日

ビジネス・エネルギー・産業戦略省(BEIS)のクラーク大臣は2018年6月25日、ウェールズ南部スウォンジーで建設が計画されている潮汐発電(Swansea Tidal Lagoon)を差額決済型固定買取価格制度(FIT-CfD)の対象としない旨を発表した。
同計画は、英国内6地点で潮汐発電の開発を計画しているTidal Lagoon Power社(TLP)の最初のプロジェクトである。
建設費13億ポンド(約1,900億円)をかけ10kmに及ぶ壁の建設により人口湾を造り、潮の満ち引きで発電するもので、TLPは、買取価格について約150ポンド(約22,000円)/MWh(30年間)を希望していた。
しかし、BEISの調査では、同潮汐発電の年間発電量は5億2,000万kWh、同国における年間電力需要の0.15%の供給力と見積もられ、建設中のヒンクリーポイントC原子力発電所(建設費200億ポンド=約3兆円、年間発電量261億kWh、供給力7%、35年間の固定買取価格92.5ポンド(約14,000円)/MWh)と比較し、費用対効果が低いと判断された(建設費を年間発電量で割った比較では潮汐がヒンクリーの約3倍コスト高)。
BEISは、潮汐発電を英国発の新たな低炭素電源としてサポートすることを検討していたが、発電量に対し需要家負担が大きいこと、プロジェクト規模に対しあまり多くの長期雇用を生まないこと、後に続く5地点のプロジェクトの大幅なコスト削減につながらないこと、発電の見通しが立ちやすい再エネ電源である一方稼働率が19%と低いこと(洋上風力は約50%)、英国がパイオニアとして開発しても輸出の機会が限られているといったことも対象外とした理由として挙げた。
各紙報道によると、開発による地域の振興を期待していたウェールズの政党・議員などが遺憾の意を表明している。

 

【情報提供:一般社団法人海外電力調査会

 

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