低レベル放射性廃棄物の処理・処分

原子力発電所から発生する放射性廃棄物の多くは、放射能レベルの低い放射性廃棄物です。低レベル放射性廃棄物に含まれる放射性物質のほとんどは、数十年程度の管理によって、放射能の量は半分以下に減少します。日本では、低レベル放射性廃棄物は陸地に埋設処分することにしています。

低レベル放射性廃棄物の種類と処理

原子力発電所で発生する低レベル放射性廃棄物には、建物の換気、洗濯廃液、使用済みのペーパータオルや古い作業衣や手袋など、「気体状のもの」「液体状のもの」「固体状のもの」があります。これらは性状を踏まえて管理、処理されます。
低レベル放射性廃棄物の種類と処理

放射性気体・液体廃棄物の放出と監視

原子力発電所で発生する換気や洗濯廃液等には、極めて微量の放射性物質が含まれています。これらについてはフィルターなどを通し放射性物質をできるだけ取り除いた後、放射性物質濃度を測定し安全を確認して環境へ放出しています。

これらから受ける発電所周辺の人々の線量の基準値は、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告に沿って定められた法令値(1ミリシーベルト/年)と、国の原子力安全委員会が「合理的に限りなく低くする」と定めた線量目標値(0.05ミリシーベルト:法令値の20分の1)があります。

実際には、原子力発電所では発電所ごとに、これらの数値を下回る年間の放出管理目標値を定めて放出を管理しています。この放出管理目標値は希ガス、ヨウ素(いずれも放射性気体廃棄物)および放射性液体廃棄物に分かれています。

低レベル放射性廃棄物の埋設処分の考え方と方法

原子力発電所の運転や検査に伴い発生する低レベル放射性廃棄物のうち、紙・布などは焼却し、また廃液などは濃縮したのち、セメントやアスファルトと混ぜて固化し、ドラム缶に詰めて、原子力発電所内の貯蔵庫に保管します。その後、青森県六ヶ所村にある日本原燃(株)の低レベル放射性廃棄物埋設センターに運ばれ、コンクリートピットに埋設処分されています。
埋設処分の考え方と方法

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