維持基準

維持基準導入前まで原子力発電所では、原子炉が新品のときの「設計・製造基準」が、運転中の発電所にも適用されてきました。その結果、原子力発電所の設備や機器は、常に新品同様の状態であることが求められてきました。

例えば、検査によってひびなどが発見された場合、安全性への影響はさておき、新品のときの「設計・製造基準」に基づいて修理や交換を行う必要がありました。

これに対して維持基準では、経年化によるひびなどの劣化が、将来、安全性にどのような影響を与えるのかを重視します。

モノは使えば古くなります。古くなっても、そのモノの本来の機能に問題がなければ、使い続けることができます。私たちは、ふだんこのような判断と行動を意識せずに行っていますが、健全性評価制度と維持基準は、そうした常識を科学技術の知識によって厳密に行うものです。

維持基準と安全性向上

将来の安全性に与える影響を予測するためには、正確なデータや、データの蓄積が基礎になります。ひびの大きさや深さ、形状の正確な計測が必須です。例えば、1年後、3年後、5年後に、そのひびの変化を監視し、予測どおりの変化なのか、あるいは予測とどう違っているかなどを検討しながら、安全性への影響をその都度、検討し直していくことになります。

維持基準は、上記のように技術的な理論に基づく予測に加え、実際の計測に基づく変化を定期的に監視し再評価することにより安全性への影響をとらえていくものです。

このように「維持基準」の導入は、原子力発電所の安全性・健全性の向上に大きく貢献するものと期待されます。

「維持基準」としての維持規格

「維持基準」は、日本機械学会の「維持規格」を採用しています。この規格は、約30年前から米国で採用されている米国機械学会規格(ASME)を基につくられたものです。米国機械学会規格は、業界とは一線を画した技術者個人がメンバーの専門部会で検討し、米国のみならず、世界中の科学者、技術者の論議によってつくられた規格で、その信頼性は高く評価されています。各国で採用され、現在、実質的に国際規格となっています。

「維持規格」は民間規格ですが、国が検討して、その妥当性を認め、原子力発電所の健全性評価のための「維持基準」として採用されました。

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