資源に乏しい日本が将来にわたりエネルギーを安定的に確保していくためには、国内における原子燃料サイクルの確立が不可欠です。その一環であるプルサーマルの重要性から、国および電気事業者はプルサーマルの実施に向けて積極的な取り組みを行っています。
わが国のプルサーマル推進計画
わが国では、1955年(昭和30年)代の原子力開発の当初から、高速増殖炉の実用化と軽水炉でのプルサーマルの両方を計画しています。実際に、1980年代後半から1990年代前半には美浜、敦賀の両発電所でMOX燃料の実証試験を行い、安全が確認されています。
1994年の原子力長期計画では、1990年代後半からのMOX燃料の本格導入を計画し、1994年〜1995年6月にかけて原子力安全委員会においてもMOX燃料の安全性を検討しています。
また、1997年、プルサーマルを早急に開始することが必要であるという旨の閣議了承を受け、電気事業者は、国とともに2015年までに16〜18基の原子力発電所でプルサーマルを実施するとの具体的な計画を発表しました。1999年8月には大間原子力発電所(フルMOX-ABWR)が国の電源開発基本計画に組み入れられ、フルMOX燃料の原子力発電所の運転を目指して、電源開発がその実施主体として取り組んできました。
電気事業者のプルサーマル計画への取り組み
プルサーマル計画の発表後、BNFLによるMOX燃料のデータ改ざん問題(1999年)、新潟県刈羽村の住民投票結果にともなう地元からの要請(2001 年)、東京電力の自主点検による不適切な取扱い(2002年)などにより、東京電力、関西電力のプルサーマル導入開始時期が、当初の計画からずれ込んでいます。
電気事業者は、このような状況の中、プルサーマルの導入を経営の重要課題として、電力9社と日本原子力発電、電源開発、日本原燃の12社の社長で構成している「プルサーマル推進連絡協議会」を中心に導入への理解活動、情報の公開などの取り組みを進めています。
2003年8月には、原子力委員会が原子燃料サイクルの全体像「核燃料サイクルについて」をとりまとめました。これは2002年11月より開催している「核燃料サイクルのあり方を考える検討会」において提起された意見や、原子燃料サイクル政策に対するさまざまな疑問が投げかけられていることを踏まえ、国民から提示されているさまざまな疑問に対し議論を整理し、原子燃料サイクルの全体像を広く国民に示したものです。
また、2003年10月にはエネルギー基本計画が閣議決定され、日本における原子燃料サイクルの重要性が再確認されています。そこでは、「核燃料サイクルは供給安定性をさらに改善するもの」で、「核燃料サイクルの推進を国の基本的な考え方としており、安全の確保と核不拡散を前提として、着実に取り組むことが必要」と、改めて原子燃料サイクルの重要性を確認し、「プルサーマルを当面の中軸として、国民の理解を得つつ着実に推進」するとされています。
このような状況を踏まえ、2003年12月に電気事業連合会では、プルサーマル実施に関する諸準備が整い、立地地点の地元情勢等から判断して、実施できる電力会社からプルサーマルを実施していくこと、そして2015年度までに合計で16〜18基の導入を目指して取り組むことを改めて再確認しました。
その後、2009年5月に中部電力・四国電力・九州電力の3社がMOX燃料輸送を完了し、他の電力各社においても地元への申し入れや燃料加工契約を締結するなど着実に進展している他、2009年4月には、日本原燃がMOX燃料加工工場の操業開始時期を変更しました。
こうした状況変化を踏まえ、2009年6月12日プルサーマル計画を見直し、遅くともMOX燃料加工工場が操業開始する2015年度までに、全国の16~18基の原子炉でプルサーマルの導入を目指し、引き続き業界を挙げて取り組んでいくこととしました。
こうした取り組みの結果、2009年12月に九州電力玄海原子力発電所3号機で、2010年3月に四国電力伊方発電所3号機でプルサーマルが開始されました。





