電気事業連合会

電気事業における低炭素社会実行計画

電気事業連合会関係12社※1は2012(平成24)年度まで、日本経済団体連合会(以下、経団連)による京都議定書第一約束期間(2008[平成20]~2012[平成24]年度)を目標年とした「環境自主行動計画」に参画し、2013(平成25)年度以降についても、経団連が掲げる「低炭素社会実行計画」に参画してまいりました。その間、地球温暖化対策については、経団連の掲げる計画の中に「電気事業における環境行動計画※2」を位置付け、低炭素社会の実現に努力してまいりました。

その後の電気事業を取り巻く環境の変化を踏まえ、電気事業全体で低炭素社会の実現に向けて取り組んでいくため、新電力有志とともに、2015(平成27)年に「電気事業における低炭素社会実行計画」を新たに策定し、2016(平成28)年2月に「電気事業低炭素社会協議会」を設立いたしました。

今後は、協議会の一員として、本計画の達成に向けた取り組みを着実に進めるとともに、実施状況を毎年フォローアップしていくことを通じて、低炭素社会の実現に向けて一層努力してまいります。

PDFが開きます「電気事業における低炭素社会実行計画」の策定について(2015年7月17日公表済)

※1 北海道電力株式会社、東北電力株式会社、東京電力ホールディングス株式会社、中部電力株式会社、北陸電力株式会社、関西電力株式会社、中国電力株式会社、四国電力株式会社、九州電力株式会社、沖縄電力株式会社、電源開発株式会社、日本原子力発電株式会社

※2 地球温暖化対策、循環型社会の形成、化学物質の管理等に対する電気事業連合会関係12社としての取り組み方針・計画等をまとめたもの(1996年11月策定・公表)

フェーズⅠの実行計画(2020年に向けた取り組み)

1. 国内の企業活動における2020年の削減目標

<目標水準>

●安全確保(S)を大前提とした、エネルギー安定供給、経済性、環境保全(3つのE)の同時達成を目指す「S+3E」の観点から、最適なエネルギーミックスを追求することを基本として、電気の需給両面での取り組みなどを推進し、引き続き低炭素社会の実現に向けて努力していく。
●火力発電所の新設などにあたり、プラント規模に応じて、経済的に利用可能な最良の技術(BAT)を活用することなどにより、最大削減ポテンシャルとして約700万t-CO2の排出削減を見込む。※3 ※4
※3 エネルギー・環境政策や技術開発の国内外の動向、事業環境の変化などを踏まえて、PDCAサイクルを推進する中で、必要に応じて本「目標・行動計画」を見直していく。
※4 2013(平成25)年度以降の主な電源開発におけるBATの導入を、従来型技術導入の場合と比較した効果等を示した最大削減ポテンシャル。

<目標設定の根拠>

参加各社それぞれの事業形態に応じた取り組みを結集し、低炭素社会の実現に向けて努力していく。

●安全確保を大前提とした原子力発電の活用を図る。
・福島第一原子力発電所事故から得られた教訓と知見を踏まえた徹底的な安全対策を実施するとともに、規制基準に留まることなく、自主的・継続的に安全性向上に取組む。
・立地地域をはじめ広く社会の皆さまのご理解が得られるよう丁寧な説明を実施するとともに、安全が確認され稼働したプラントについて、安全・安定運転に努める。
●再生可能エネルギーの活用を図る。
・水力、地熱、太陽光、風力、バイオマスの活用。
・再生可能エネルギーの出力変動対策について技術開発等を進める。
― 太陽光発電の出力変動対応策の検討。
― 地域間連系線を活用した風力発電の導入拡大検討。
●火力発電の高効率化等に努める。
・火力発電の開発等にあたっては、プラント規模に応じて、経済的に利用可能な最良の技術(BAT)
・既設プラントの熱効率の適切な維持管理に努める。
●低炭素社会に資するお客さま省エネ・省CO2サービスの提供に努める。
・低炭素社会におけるお客さまのニーズを踏まえ、電力小売分野での省エネ・省CO2サービスの提供に努める。

2. 主体間連携の強化

電力部門のCO2削減並びに排出係数の改善には、原子力・再生可能エネルギーを含むエネルギー政策に係る政府の役割や発電・送配電・小売部門を通じて電気をお使いいただくお客さまに至るまでの連携した取り組みが不可欠であるとの認識のもと、事業者自らの取り組みとともに主体間連携の充実を図る。

●電気を効率的にお使いいただく観点から、高効率電気機器等の普及や省エネ・省CO2活動を通じて、お客さまのCO2削減に尽力する。
●電気事業者自らの使用者としての取り組み

3. 国際貢献の推進

国内で培った電気事業者の技術・ノウハウを海外に展開することによって、諸外国のCO2削減に貢献する。

●海外事業への参画・協力を通じた石炭火力設備診断、CO2排出削減活動等により、日本の電力技術を移転・供与し、途上国の低炭素化を支援する。
●二国間オフセットメカニズム(JCM)を含む国際的な制度の動向を踏まえ、先進的かつ実現可能な電力技術の開発・導入等により地球規模での低炭素化を目指す。

(参考)高効率のプラント導入及び運用補修改善により、2020年度におけるOECD諸国及びアジア途上国での石炭火力CO2削減ポテンシャルは最大5億t-CO2/年。

4. 革新的技術の開発

電力需給両面における環境保全に資する技術開発に継続して取組む。

●原子力利用のための技術開発
●環境負荷を低減する火力技術(A-USC、IGCC、CCS等)
●再生可能エネルギー大量導入への対応(火力発電プラントの負荷追従性向上、基幹・配電系統の安定化、バイオマス・地熱発電の導入拡大等)
●エネルギーの効率的利用技術の開発

フェーズⅡの実行計画(2030年に向けた取り組み)

1. 国内の企業活動における2030年の削減目標

<目標水準>

●安全確保(S)を大前提とした、エネルギー安定供給、経済性、環境保全(3つのE)の同時達成を目指す「S+3E」の観点から、最適なエネルギーミックスを追求することを基本として、電気の需給両面での取り組み等を推進し、引き続き低炭素社会の実現に向けて努力していく。

●政府が示す2030年度の長期エネルギー需給見通しに基づき、2030年度に国全体の排出係数0.37kg-CO2/kWh程度(使用端)を目指す。※1、※2

●火力発電所の新設等に当たり、プラント規模に応じて、経済的に利用可能な最良の技術(BAT)を活用すること等により、最大削減ポテンシャルとして約1,100 万t-CO2の排出削減を見込む。※2、※3

※1 本「目標・行動計画」が想定する電源構成比率や電力需要は、政府が長期エネルギー需給見通しで示したものであり、政府、事業者及び国民の協力により、2030年度に見通しが実現することを前提としている。
※2 エネルギー・環境政策や技術開発の国内外の動向、事業環境の変化等を踏まえて、PDCA サイクルを推進する中で、必要に応じて本「目標・行動計画」を見直していく。
※3 2013年度以降の主な電源開発における BATの導入を、従来型技術導入の場合と比較した効果等を示した最大削減ポテンシャル。

<目標設定の根拠>

参加各社それぞれの事業形態に応じた取り組みを結集し、低炭素社会の実現に向けて努力していく。

●安全確保を大前提とした原子力発電の活用を図る。
・福島第一原子力発電所事故から得られた教訓と知見を踏まえた徹底的な安全対策を実施するとともに、規制基準に留まることなく、自主的・継続的に安全性向上に取組む。
・立地地域をはじめ広く社会の皆さまのご理解が得られるよう丁寧な説明を実施するとともに、安全が確認され稼働したプラントについて、安全・安定運転に努める。

●再生可能エネルギーの活用を図る。
・水力、地熱、太陽光、風力、バイオマスの活用。
・再生可能エネルギーの出力変動対策について技術開発等を進める。
― 太陽光発電の出力変動対応策の検討。
― 地域間連系線を活用した風力発電の導入拡大検討。

●火力発電の高効率化等に努める。
・火力発電の開発等にあたっては、プラント規模に応じて、経済的に利用可能な最良の技術(BAT)
・既設プラントの熱効率の適切な維持管理に努める。

●低炭素社会に資するお客さま省エネ・省CO2サービスの提供に努める。
・低炭素社会におけるお客さまのニーズを踏まえ、電力小売分野での省エネ・省CO2サービスの提供に努める。

2. 主体間連携の強化

電力部門のCO2削減並びに排出係数の改善には、原子力・再生可能エネルギーを含むエネルギー政策に係る政府の役割や発電・送配電・小売部門を通じて電気をお使いいただくお客さまに至るまでの連携した取り組みが不可欠であるとの認識のもと、事業者自らの取り組みとともに主体間連携の充実を図る。
●電気を効率的にお使いいただく観点から、高効率電気機器等の普及や省エネ・省CO2活動を通じて、お客さまのCO2削減に尽力する。
●お客さまの電気使用の効率化を実現するための環境整備として、スマートメーターの導入を完了する。

3. 国際貢献の推進

国内で培った電気事業者の技術・ノウハウを海外に展開することによって、諸外国のCO2削減に貢献する。
●海外事業への参画・協力を通じた石炭火力設備診断、CO2排出削減活動等により、日本の電力技術を移転・供与し、途上国の低炭素化を支援する。
●二国間オフセットメカニズム(JCM)を含む国際的な制度の動向を踏まえ、先進的かつ実現可能な電力技術の開発・導入等により地球規模での低炭素化を目指す。

(参考)高効率のプラント導入及び運用補修改善により、2030年度におけるOECD諸国及びアジア途上国での石炭火力CO2削減ポテンシャルは最大9億t-CO2/年。

4. 革新的技術の開発

電力需給両面における環境保全に資する技術開発に継続して取組む。
●原子力利用のための技術開発
●環境負荷を低減する火力技術(A-USC、IGCC、CCS等)
●再生可能エネルギー大量導入への対応(火力発電プラントの負荷追従性向上、基幹・配電系統の安定化、バイオマス・地熱発電の導入拡大等)
●エネルギーの効率的利用技術の開発

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