FOCUS2

2019.03

東京電力福島第一原子力発電所の現状について

東京電力福島第一原子力発電所では、1~3号機原子炉・格納容器の温度は約15~25℃で推移しています(2月時点)。原子炉建屋からの放射性物質の放出量に有意な変動はなく、総合的に冷温停止状態を維持していると判断しています。1~3号機では、燃料・燃料デブリ取り出し開始に向けた作業を進めています。

最近の主な作業項目

●2号機
燃料デブリ取り出し方法の検討に資する情報を得るため、原子炉格納容器の内部調査を実施。カメラを搭載した調査ユニットを格納容器内に吊り下げ、格納容器底部に確認された堆積物の性状(硬さや脆さなど)を把握しました。

●3号機
使用済燃料プールからの燃料取り出しを円滑に進めるため、燃料を遠隔操作で取り出すための燃料取扱設備や、燃料を収納・移送するための構内輸送容器を用いた燃料取り出し訓練を実施。作業員の技術向上を図るとともに、今後の燃料取り出し計画に知見を反映します。

3号機外観

3号機外観 写真提供:東京電力HD

廃炉資料館がオープン

東京電力ホールディングスは、福島第一原子力発電所の周辺地域をはじめとした福島県の皆さまや、国内外の多くの方々に福島原子力事故の事実と廃炉事業の現状などをご確認いただける施設として、福島県双葉郡富岡町に「東京電力廃炉資料館」を2018年11月にオープンしました。

廃炉資料館では、原子力事故の記憶と記録、反省と教訓を映像やパネルで紹介するゾーンや、今後30年から40年を要するとされる廃炉事業の全容、廃炉現場を紹介するゾーンを設置。原子力事故を後世に伝えていくとともに、地域をはじめ皆さまの安心につながる廃炉の情報を発信していきたいとしています。

廃炉資料館の嶋津康館長は、「来館者の視点に立ち、分かりやすさやタイムリー性を重視し展示を充実していきたい」と話していました。

廃炉作業の現場の各ポイントを大型3面映像で紹介

廃炉作業の現場の各ポイントを大型3面映像で紹介