(資料1)



キャスクデータ問題に係る企業体質・風土に関する検討結果について




 電力各社は、昨年10月に明らかになった使用済燃料輸送容器(キャスク)のデータ問題により、立地地域をはじめ社会の方々の原子力、ひいては電力業界全体に対する信頼を大きく損ねる結果となりましたことを業界全体の問題として厳しく受け止め、品質管理の充実など技術面を中心に、再発防止策の検討・徹底に全力を挙げてまいりました。(平成10年12月3日発表済み)
 一方、こうした技術的な対策に加えて、問題発生の背景になったのではないかと考えられるモラルや企業内・企業間の情報の流れなど、企業体質や風土の問題についても、各社ごとに検討委員会やワーキングを設置し、問題点の洗い出しと改善策の検討を行ってまいりました。
 このたび、電気事業連合会で、各社からこれまでに出された問題点や改善案をもとに対策の基本的な方向性をとりまとめ、本日、電力各社において、関連企業や関連業界等とも協力して、再発防止・風土改革のための具体策に取り組んでまいることを確認いたしました。
 各社は、今後、この方向性に従い、下記の例示を参考に、各社にあった改善策を工夫し実施してまいります。
 主な対策の方向性は以下のとおりです。


1.企業および個人のモラルの維持・向上

1)社会的影響が大きい高度・巨大技術を扱う企業・個人には高い倫理観と社会的信頼が求められることを経営トップから現場第一線社員まで周知徹底する。  
例) o倫理・モラルに関する、わかりやすい憲章、行動指針、規定等の作成、周知
  o モラルの維持向上に関わる教育・研修や研究会等の実施
  o 経営層と現場第一線社員との意見交換会や懇談会の実施   
  o 風土改革に関わる継続的なキャンペーンや行事の実施
  o 原子力職場の努力や苦労の積極的な社内外へのPRによる 第一線職場・協力企業のモラール向上 等 

2)社会の目線や意識とのギャップが生じないよう社会との接触機会の増大を図る。  
例)o地域活動への積極的な参加や、ボランティア活動等への参加の推進・支援
  o外部有識者による研修会の開催や、講演会などへの積極的な参加    
  o社外有識者の意見を伺う委員会等の設置
  o発電所技術者の広報・営業活動部門等との交流 等

3)協力企業との良好なパートナーシップの醸成を図る。   
例)o協力企業に対する行動規範やけじめを定めた規範集の作成や研修の実施    
  o協力企業との意見交換や懇談会、合同研修などの実施
  o協力企業と一体となった地域活動や諸行事への参加や、親睦活動の実施 等

2.情報の流れの円滑化

1) 部門内・部門間、経営層と現場第一線職場間など社内コミュニケーションの円滑化を図る。
例) o経営層の店所訪問による意見交換会や、職場内懇談会の定期的な実施    
  o TV会議システム、イントラネットホームページ等を活用した情報伝達の迅速化・活性化
  o電子メール等を活用した投書システム 等  

2)協力企業との間の情報の共有化、情報の流れの円滑化を図る。  
例) o定期的な意見交換会、意見募集の実施
  o電子メール、投書箱等協力企業社員の意見・要望が電力会社経営層に伝わるシステムの構築
  o各種会議等における十分な説明、意志疎通の徹底 

3)社外へ迅速・的確な情報提供を図る。   
例) oトラブル情報の迅速な発信と対応(インセンティブの付与等)
  oマスコミとの積極的な情報交換の実施等                           


                                                       以 上




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