藤電事連会長定例記者会見発言要旨
(2004年3月19日)


◎ 本日、私から申し上げるのは、次の2点です。1点目は、日米欧三極電力首脳会議の実施結果について。2点目は、NSネット(ニュークリアセイフティーネットワーク)の活動状況についてです。

1. 三極電力首脳会議
◎ まず、日米欧三極電力首脳会議の開催について申し上げます。お手許の資料1−1をご覧ください。

○ 先週8日と9日の2日間、米国・ロサンゼルスで「第7回日米欧三極電力首脳会議」が開催されました。この会議は、日本の電気事業連合会、米国のエジソン電気協会(EEI)、欧州電気事業者連盟(EURELECTRIC)の三団体の電力首脳が一堂に会し、各国の電気事業を取り巻く状況や共通の課題などについて、自由に意見交換することを目的として開催しているものです。

○ 会議の概要についてはお手許の資料のとおりですが、今回は、市場と規制のあり方、エネルギー政策、環境政策といった共通のテーマについて、三団体の代表によるプレゼンテーションをもとに活発な意見交換が行われました。

○ 今回、日本からは、次のページの別紙のとおり、7社の社長、5社の副社長をはじめとする13名が参加しました。
私からは、冒頭、日本の電気事業者を代表して、わが国電気事業の最近の課題について、総括的にご紹介させていただきました。
この中で、電力自由化に関しまして、わが国では安定供給を確保するため、発送一貫体制を維持した上で、公平・公正・透明な競争を促進するという「日本型の自由化モデル」が打ち出されたことをご説明し、欧米の参加者の方々から十分なご理解をいただきました。
また、テーマ毎の各セッションでは、
・ 東京電力の勝俣社長から、資源の乏しいわが国では、エ
ネルギー・セキュリティと安定供給の確保が最も重要であり、そのためには発送一貫体制の維持が必要であること。また、自由化の下で送電線建設のインセンティブをいかに確保するかが重要であること。
・中国電力の白倉社長から、安定供給と環境適合性に優れた原子力の推進に、経営の最重要課題として取り組んでいること、
・九州電力の松尾社長から、CO2削減に向けて、原子力発電の一層の推進や省エネ・負荷平準化対策など、需給両面にわたる諸施策に取り組んでいること。
などをご説明いただきました。

○ このたびの会議を通じて、各国それぞれの電気事業が直面する課題について電力首脳の方々と議論し、またお互いに生の情報を交換しあうことができたことは、今後の事業運営を進める上で大変参考になったと思っています。

○ 特に、お手許の資料1−2に示しましたとおり、参加した各国の電力首脳が、
・ 電力自由化が進展する中にあっても、発電と送電設備に対する新たな投資とタイムリーな建設及び電源の多様化が不可欠であること。
・ 安定供給確保と地球温暖化対策のために原子力が重要であること。
・ 長期的な課題である地球温暖化問題については、自主的な取り組みが対策の柱であること。
といった考え方で一致し、共同声明をまとめることができたことは大きな成果であります。

○ なお、次回の会議は、2005年秋に、日本(札幌)で開催する予定です。

2. NSネット
◎ 次に、NSネット(ニュークリアセイフティーネットワーク)の活動状況について申し上げます。お手元の資料2をご覧ください。

○ 私どもは、原子力の信頼回復に向け、原子力に携わる方々と広く情報交換を行いながら進めており、とりわけNS ネットとは、連携を強化して取り組んでいるところです。
  
○ ここで、そのご報告を含めてご参考までにNSネットの活動状況についてご紹介させていただきたいと思います。
ご案内のとおり、NSネットは、1999年9月に発生したJCO事故をきっかけに、原子力産業界全体の安全文化の共有化や向上を目的として、その年の12月に設立されました。
私ども電力会社はもとより、メーカーさんや研究機関など、わが国の原子力産業に従事する方々などが、業種の枠を超えて設立した横断的な組織です。    

○ 取り組みの概要をご紹介しますと、まず、活動の主要な柱である会員間の相互評価、いわゆる「ピアレビュー」について資料の左上に示しました。これは、NSネットならではの特徴的な取り組みで、会員の専門家でチームを編成して互いに会員事業所を訪問し合い、対等の立場から評価を行うものです。
一連の原子力の問題を踏まえ、平成14年10月以降は、倫理プログラムやデータ改ざん防止に向けたシステムなどにも焦点を当ててレビューを実施しているところですが、これまでのところ、各事業所とも直ちに改善措置を施さなければならないような事例はなく、真剣に安全管理に取り組んでいる様子が確認されているようです。

○ 昨年10月には全36 会員を一巡し、現在、二巡目のレビューに入っておりますが、引き続きこうした内容に力点を置いて取り組んでいく方針です。
  私ども電力としても、他の施設のレビューに参加したり、逆に他の会員からレビューを受けた際には、安全管理の実態を積極的に紹介し、情報の共有化に努めたいと考えております。

○ これ以外にも、右上にありますように、原子力安全文化の普及に向けて、会員の経営者や管理者の方々を対象としたセミナーや、会員事業所を巡回して安全推進に関する意見交換や講演を行う「安全キャラバン」を実施しており、キャラバンでは、ピアレビューで抽出された良好事例の紹介や、特に、平成15年度は、倫理観の浸透に力を入れて実施してまいりました。

○ 16年度は、本格的な活動開始から5年目となりますが、こうした取り組みの内容をもう一歩進めるとともに、第三者機関として設置している評議員会をはじめ、外部からのご意見を踏まえて活動の質的向上をはかり、取り組みそのものを広く皆さまにご理解いただくことなども通じて原子力の信頼回復に向けた活動を着実に実施していくこととしております。

○ 今後とも、原子力に携わる全ての者が徹底した安全管理に努めることが基本ですが、とりわけ私どもは気を引き締めて安全の実績を積み重ねるとともに、業種の違いを超えて互いに切磋琢磨しながら、一歩一歩、着実に原子力産業界全体にわたる安全文化・安全意識の普及・向上に努めていく所存です。 

○ 本日、私からは、以上です。