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2016.5

原子炉をコントロールする

原子力発電所の運転において、原子炉内で起こっている核分裂の連鎖反応を調整し、出力を制御するために重要な役割を担うのが制御棒です。制御棒は核分裂に必要な中性子を吸収する素材で出来ており、これをウラン燃料の間に出し入れすることで中性子の量を調整し、原子炉をコントロールすることができるのです。

上の写真は、建設が最終段階にある、中国電力島根原子力発電所3号機(ABWR型、出力:137.3万kW)の原子炉下部。運転前の機器はすべて真新しく、銀色の光沢で彩られています。ここには、炉内の中性子を計測する装置やケーブルのほか、周囲には緊急時に制御棒を駆動させる配管も張り巡らされています。
写真中央部に写る白い円盤(205箇所)の上部には4mもの長さの制御棒があり、今後それぞれの制御棒に対応した駆動装置が取り付けられます。
通常の運転時は、制御棒の駆動は中央制御室からの操作により電動で行われますが、地震などの影響により緊急に原子炉を停止させる場合には、205本の配管を通じた水圧を利用し、自動的に1.44秒以内に制御棒が一気に挿入され、原子炉を停止させます。

島根原子力発電所3号機外観

鉄筋コンクリート製原子炉格納容器モデル

  • 写真 1

  • 写真 2

  • 写真 3