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英国 ヒンクリーポイントC原子力発電所
英国の原子力リプレース、新増設
継続的に投資環境を整備
直径47m、重さ245tの巨大な原子炉上蓋の設置作業
(2025年7月、EDF Energy提供)
フランスのフラマトム社の工場で製造された原子炉圧力容器の搬入
(2026年1月、EDF Energy提供)
改定された「今後の原子力政策の方向性と行動指針」では原子力発電所の建て替えの見通しが定量的に示されました。国内では関西電力美浜発電所(福井県美浜町)で昨年11月に後継機設置検討に向けた地質調査を再開しましたが、具体的な計画はこれからです。しかし、世界を見渡せば早期に原子力を導入したフランス、ロシアといった国を中心にリプレースのプロジェクトが動いています。
英国のヒンクリーポイントC発電所(欧州加圧水型軽水炉=EPR、163万kW×2基)はその一つ。英国南西部で2000年まで稼働していたヒンクリーポイントA発電所の隣接地で2017年から建設が進められています。
計画当時、英国で稼働していた原子力のほとんどが経年化に伴い2020~2030年に閉鎖されることが確実視されていました。さらに当時加盟していた欧州連合(EU)の指令に伴い古い石炭火力発電所が次々と閉鎖に追い込まれ、英国には将来的な電力不足の危機感がありました。
そこで政府はリプレースを含む原子力建設を推進。国際競争入札により、フランス電力(EDF)を中心とする企業連合がヒンクリーポイントCの建設から運転までを担うことになりました。2030年の1号機運転開始に向けて、建設は着実に進んでいます。
引き続き原子力の建設に注力する英国は、建設費高騰に伴う投資回収の予見性低下という課題に対応。「規制資産ベース(Regulated Asset Base=RAB)モデル」という、政府が適正と認めた建設コストの一部を建設中から需要家が負担する仕組みを整備しました。通常の仕組みでは設備が完成して初めて、需要家が支払う料金で建設費を回収できます。つまり工事中は収入がない状態で借入金の利息を払いつつ工費増大のリスクも負うため、事業を行う決断が困難です。一方のRABモデルでは工事中も安定した収入が得られ、低金利で資金調達が可能です。
同制度を活用したサイズウェルC原子力発電所(EPR、163万kW×2基)の建設が昨年決まりました。総コストを抑制しながら脱炭素、安定供給といった将来受け取る利益を、事業者と需要家で分かち合う取り組みとして注目されます。