2021.06
今夏と来年冬の電力需給、厳しい見通し
一般送配電事業者10社は、今夏と来年冬の電力需給見通しを電力広域的運営推進機関(広域機関)に報告しました。厳しい需給状況が予想されており、安定供給の確保に向けて最大限の方策を検討・実施してまいります。
今夏は最低限の予備率確保
電力の安定供給のためには、供給予備率(最大需要に対する発電設備の余力の割合)が3%以上必要とされています。この夏は猛暑を想定した場合でも、各エリアとも3%以上を確保できる見通しです。しかし複数のエリアで7月に3.7%と、2017年夏以降で最も厳しい予備率が予測されています。
来年冬はさらに厳しく
2022年1~2月は、予備率が3%となるエリアが多く発生する見込みです。特に東京エリアは、設備の補修期間の調整などによって捻出した追加供給力を織り込んでも、3%に対し供給力が約50万kW不足しています。対策として東京電力パワーグリッドは、休止中の電源、カウントされていない自家発電設備、デマンドレスポンスなどを対象とした調整力公募を行う予定です。皆さまにおかれましても、無理のない範囲で電気の効率的な使用にご協力をよろしくお願いいたします。
供給力維持・確保に全力
安定供給の維持には、トラブルによる電源の計画外停止などを防ぐことや、連系線を活用したエリア間の電力融通などが重要です。また、今冬に発生した需給逼迫を踏まえ、発電設備容量(kW)が足りていても発電電力量(kWh)が不足する場合の対策も必要です。
政府では引き続き、必要な供給力・調整力を確実に確保する仕組みなどを検討していく方針です。私どもも発電・小売を担う立場として積極的に検討に参画するとともに、電力ネットワークを担う送配電事業者と連携して、安定供給における責務を全うしてまいります。
東西つなぐ第4の玄関口 ~飛騨変電所~
周波数が異なる東日本と西日本の電力網をつないでいるのが周波数変換設備(FC)です。国内4カ所目のFCとして3月31日に運転を開始した飛騨信濃FCは、中部電力パワーグリッドの飛騨変換所と東京電力パワーグリッドの新信濃変電所、その間を結ぶ飛騨信濃直流幹線で構成。容量は90万kWで、東西間でより多くの電力融通が可能になり安定供給の強化に貢献します。
雪深い岐阜県高山市の山中にある飛騨変換所では、積雪対策が必須。高調波を吸収し周波数を安定化する「交流フィルタ」は土台をかさ上げするとともに、上部には特徴的な三角屋根が設置されています。

提供:中部電力パワーグリッド
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