2025.09

NHK連続テレビ小説『あんぱん』のヒロイン・朝田のぶを演じている、俳優の今田美桜さん。役をとおして昭和初期から戦前・戦後、平成を生きるなかで実感した、電気と暮らしのつながりなどについて電気事業連合会会長の林欣吾さんと語り合いました

サプライズで知った
オーディションの結果

  •  今田さんがヒロインを演じる朝ドラを毎朝欠かさず観ています。感動のあまり涙が溢れ、赤くなった目をなんとかしようと仕事前に慌てることもしばしばで。(笑)

    今田 貴重な朝のお時間に、ありがとうございます。『あんぱん』は2024年9月に高知県でクランクインして、今年の8月まで撮影が続きました。お話はいよいよ終盤ですが、最後まで楽しんでいただけると思います。

     ヒロインに決まったときは、どんなお気持ちでしたか?

    今田 最終オーディションまで進んだものの、正直、受かる自信はありませんでした。「もう一度、顔合わせをしたい」とNHKに呼ばれ、なんだろうと思って行ってみると、部屋の机の上にあんぱんが用意されていたんです。それを食べながらプロデューサーさんたちとお話をしていたら、スタッフの皆さんが突然クラッカーを鳴らし、「おめでとう!」とサプライズをしてくださって。とても驚きましたが、朝ドラのヒロインは俳優としてのひとつの夢でしたから、嬉しかったですね。

     ご両親も喜ばれたでしょう。

    今田 のぶ役に決まったのが23年の暮れで、記者発表は年明けの2月でした。それまで誰にも伝えてはいけないと言われていましたから、お正月に帰省した際、平静を装うのが大変で……(笑)。発表後すぐ母に電話をかけると、「朝ドラのヒロインって、いつも観ているあの朝ドラのヒロインってこと?」という感じで、最初はピンときていなかったようですが(笑)、「よかったね。頑張るんだよ」と背中を押してくれました。

     電気事業連合会のCMにご出演いただいている今田さんがヒロインを演じるというのは、私どもにとってもとても嬉しいことです。ところで、朝ドラは半年間、しかも週5日放送されるため、撮影の苦労も多かったのでは?

    今田 撮影が長期間にわたるだけでなく、1日に撮るシーンがすごく多いのも朝ドラならではかもしれません。あとは、「今日はこのセットのシーンをまとめて撮影する」ということがあります。たとえば、シーソーがある場所で学生時代ののぶを演じた後に、成長して先生になったのぶを演じ、次の日はまた学生時代に戻ったり……と、バラバラの時系列で撮影が進んでいくことも。そのため、ずっと先のエピソードも含め、10冊ぐらいの台本を抱えながら挑んだ時期もありました。

     それはすごいですね。ビジネスの世界では、まず計画を立てて、関係者で協議をした後に契約をし、事業を立ち上げる、といったように基本的に時系列で進めていきます。ですから、撮影シーンが行ったり来たりする俳優さんのお仕事は、とても真似できないと感じました(笑)。のぶさんといえば、走る姿も印象的です。

    今田 のぶのモデルであるやなせたかしさんの妻・暢さんは、「ハチキンおのぶ」「韋駄天おのぶ」とも呼ばれた、行動的で足の速い人でした。そういったこともあり、走るシーンはたくさんありましたね。着物に下駄で走るのは洋服とは勝手が違い、所作に苦労もしましたが、手の振り方ひとつでも、どうすればのぶらしくなるかなどを考える時間も楽しかったです。

     運動会のシーンでは、猛暑のなか40回くらい走ったとか。

    今田 そうですね。あの日は本当に暑くて……。でも私だけではなく、エキストラの皆さんや、重い機材を抱えたカメラマンさんたちも一緒に走ってくださるので、「頑張らないと」と思いました。そんなふうに、現場の一体感やチームワークが徐々に高まっていく空気を実感できたのも、私にとっては大きな財産です。

  • 林 欣吾

    電気事業連合会 会長
    林 欣吾
    Hayashi Kingo

    PROFILE
    1961年三重県生まれ。84年、京都大学法学部卒業後、中部電力に入社。取締役専務執行役員 販売カンパニー社長を経て、2020年に代表取締役社長 社長執行役員。24年、電気事業連合会会長に就任

    今田 美桜さん

    俳優
    今田 美桜さん
    Imada Mio

    PROFILE
    1997年福岡県生まれ。19歳のときに現在の事務所への所属をきっかけに上京。多数のCMやドラマ、映画に出演。2022年、映画『東京リベンジャーズ』で第45回アカデミー賞新人俳優賞を受賞。現在、主演を務めるNHK連続テレビ小説『あんぱん』が放送中

冷蔵庫が映す
家族のつながり

 現在、今田さんには電気事業連合会のCM、「電気とひとの物語・冷蔵庫あけたら」篇と「同・この撮影も」篇に出演していただいています。今回の出演で3作目となりました。

今田 「冷蔵庫あけたら」篇では、仕事から帰宅した女性が冷蔵庫に入っていたプリンをきっかけに、幼い頃の家族との暮らしを思い出し、親の愛情や温もりをあらためて実感するというものでしたね。

 今田さんの好演のおかげで、「電気をとおして人とのつながりや温もりが伝わる」、そんなメッセージがたくさんの人に届いたのではないかと思います。

今田 確かに、冷蔵庫は家族のつながりのひとつだな、と感じました。というのも、一人暮らしの私の家の冷蔵庫の中身が実家と似ていることに気がついたんです(笑)。きっと、親が購入していた調味料や食材、収納の仕方を覚えているからでしょうね。それに時々、母が福岡から来てくれるのですが、帰るときには必ず料理の作り置きを冷蔵庫に入れていってくれます。

 素敵なつながりですね。お母様とは、よく電話もされるとか。

今田 はい。たいてい私から「今、暇?」と電話をかけて、たわいもない話をしたり、電話をつないだままお互いに家事をしたりして、気づくと3、4時間経っていたなんてこともあります。

 そんなに!でも、今田さんにとって、かけがえのない時間なのでしょうね。

今田 離れて暮らしているので、そういった機会を作ることは大切だと感じています。あと、ぼーっとテレビを観る、本を読む、編み物をするなどといった一人の時間も大事ですね。いったん自分をフラットに戻す時間がないと気持ちに余裕がなくなってしまって、思いやりを持てなくなったり、仕事を楽しめなくなったりしてしまう気がして。

 同感です。私も、登山をしたり落語を聴いたり、読書に集中したりして、リフレッシュするよう意識しています。読書といえば、今田さんは原田マハさんの作品がお好きだとか?

今田 はい。『本日は、お日柄もよく』は、好きな一冊です。

 実は私も大ファンで、『奇跡の人』という作品について、ある新聞に感想を投稿したら、ご本人からお礼のメッセージをいただいたことがあるんですよ。

今田 すごいですね。その作品、ぜひ読んでみたいと思います。

電気が変える世の中を
ドラマで実感

 CMの「この撮影も」篇では、電気がなければ撮影もできないということに思いを馳せる様子が描かれています。

今田 冷蔵庫も、母と長電話をするスマートフォンも、それらがない生活はもはや想像できません。日常に欠かせないものは電気がなければ動かすことができないんだという、当たり前のことを思い出させてくれるCMでした。

 『あんぱん』では、昭和初期から戦前・戦後を経て、平成へと変わりゆく時代を生きる人々の姿が描かれています。同時に、時代の流れとともに電気の普及・技術の進展によって、暮らしが様変わりしていく様子を知ることができるドラマでもあるな、と思いました。

今田 確かにそうですね。のぶが幼い頃はラジオが貴重なもので、数少ない娯楽のひとつだったのが、だんだんとテレビ、冷蔵庫、蛍光灯などが出てきて。撮影でそういったものが登場するたびに、こうやって私たちの生活は便利になってきたんだな、ということをあらためて感じました。

 1882年に、東京・銀座で日本初の電灯が灯ってから約140年。いわゆる「三種の神器」を始め、戦後の高度成長期以来、さまざまな電化製品が普及してきました。テレビもパソコンもスマートフォンもそうですが、電気は生活を便利にするだけでなく、楽しく、豊かにしてくれるものでもあるんですね。

今田 「この撮影も」篇のCMでは、これからも電気の使用量が増えていく、ということが紹介されていました。

 そうなんです。少し前までは、日本の電気の使用量は緩やかに減っていく見通しでした。しかし、AIの普及に伴い、それを支える半導体工場やデータセンターの稼働が増える見通しであることから、今後、電力需要も増加していく見込みです。

今田 便利な暮らしの裏側で、本当にたくさんの電気が必要になっているわけですね。

さまざまな発電方法による
バランスのよい組み合わせ

 将来の電力需要に対応するため、私たち電気事業者は、電力の安定供給に努めて参りますが、いくつかの課題もあります。日本はエネルギー資源に乏しく、2023年度のエネルギー自給率はわずか15.3%。8割以上を海外からの輸入に頼っている状況です。それに日本は島国ですから、ヨーロッパ諸国のように近隣の国々と送電線を繋いで電気を融通し合うこともできません。加えて、地球温暖化対策を意識して、できるだけCO2を出さない電源の比率を高めていくという課題もあるのです。

今田 このお仕事を通じて学んだのですが、発電にもさまざまな方法があって、それらの良いところをバランスよく組み合わせることが大切なんですよね。

 その通りです。主な発電方法として、自然の力を利用した太陽光発電や風力発電のような再生可能エネルギー、石炭や液化天然ガスなどを燃料とし、安定供給に欠かせない火力発電、CO2を出さずに安定して発電できる原子力発電があります。安定供給に加え、脱炭素も実現していくためには、それぞれ特性が異なる発電方法をバランスよく組み合わせる「エネルギーミックス」が重要です。

今田 お話をうかがっていて、使う側の私たちも、電気が当たり前にあるわけじゃないんだ、ということを理解していくことがあらためて必要だと思いました。

 そう言っていただけて嬉しいです。今日は、楽しいお話をありがとうございました。朝ドラのヒロインという夢をひとつ叶えられたわけですが、今後の目標はありますか?

今田 とにかく、いただいた仕事を全力で丁寧にという気持ちでずっと進んできたので、そこは変えずにいたいです。これから年を重ねていくにつれて、たとえば母親役も増えてくるかもしれません。ひとつひとつをチャレンジだと思って、新しい世界に積極的に飛び込んでいきたいですね。

 ますますのご活躍を期待しています。

提供 電気事業連合会
構成 南山武志 / 撮影 玉置順子(t.cube)

  • 今田美桜さん出演ムービー掲載 電気事業連合会 特設サイトのご紹介

    今田美桜さんが出演する電気事業連合会のテレビCMやWebムービーを、特設サイトで公開中です。

    特設サイトはこちら
    https://www.fepc.or.jp/sp/zuttodenkito/