2026.05
本格稼働した排出量取引制度
社会環境を見極め柔軟運用を
2026年度から排出量取引制度「GX-ETS」が本格稼動しました。排出量取引とは、企業のCO₂排出に対して排出枠を設定し、その枠を企業間で取引する仕組みです。CO₂排出をコストとして認識させることで、企業やその製品などを使う消費者の行動変容を促します。2050年カーボンニュートラルの実現に向けた政策手段の一つとして位置付けられています。
2026年度からの制度では、政府が業種ごとに定める基準に従って排出枠を無償で割り当てます。CO₂排出量を枠内に抑えれば余った排出枠を売却でき、枠を超えたら超過分の枠を購入するなどの対応が必要になります。直接排出量が年間10万トン以上の事業者を対象に参加が義務化され、日本の温室効果ガス排出量の約60%がカバーされる見込みです。
発電分野を含む多排出業種に対する排出枠の割り当ては、業種ごとにベンチマーク水準を設定する「ベンチマーク方式」で行われます。発電分野における当初3年間のベンチマーク水準は、「石炭」「LNG」「石油等」の燃種別に設定されますが、2033年度までには全火力平均の水準へ移行する見通しです。
排出枠の価格は、低すぎると排出削減投資よりも排出枠の購入に脱炭素投資の原資が使われ、排出削減が進まないおそれがあります。一方、高すぎるとそのコストを負担する企業・消費者の経済負担が大きくなります。そこでGX-ETSは、2026年度のCO₂1トン当たりの下限価格を1700円、上限価格を4300円に設定設定し、2027年度以降は脱炭素投資を促す観点から、段階的に上昇させる設計です。
今後は日本を取り巻く社会情勢や諸外国の脱炭素化に関するスタンスなども踏まえて、ベンチマークや価格が事業者や消費者にとって適切なものであるか振り返りを行いながら、柔軟に制度を運用することが必要です。
柏崎刈羽原子力発電所6号機の営業運転開始について
2026年4月16日、東京電力ホールディングス柏崎刈羽原子力発電所6号機(新潟県柏崎市・刈羽村、135万6000kW)が営業運転を開始しました。立地自治体をはじめ、関係する皆さまのご尽力に敬意を表します。
今回の営業運転開始は、わが国のエネルギー自給率の向上、電力の安定供給確保、カーボンニュートラルの実現といった観点で大きな意義を持ちます。
今後、データセンターや半導体工場の新増設等に伴い電力需要の増加が見込まれているだけでなく、現在の中東情勢も踏まえると、化石燃料に依存しない発電量が拡大することが望ましく、将来にわたり持続的に原子力を活用していくことが不可欠です。
引き続き、原子力を最大限活用していくために、新規制基準に的確に対応したうえで、安全・安定運転に取り組んでまいります。
日本の原子力発電所稼働状況一覧
柏崎刈羽原子力発電所6号機の再稼働により、新規制基準のもとでの再稼働は計15基(BWR:3基、PWR:12基)になりました。
読者アンケートにご協力お願いします抽選で10名様にAmazonギフト券2000円分をプレゼント!
お寄せいただいた回答は、内容の一層の改善・充実などに役立てます。下記のURLからご協力をお願いします。(締切:2026年7月30日)
読者アンケートはこちらから
https://forms.gle/3bh23USzvDKFNUdv9
