TOPICS

中部電力浜岡原子力データ不適切事案
業界大で信頼回復に取り組みます

2026.10

中部電力は9月14日、浜岡原子力発電所の基準地震動(Ss)策定を巡る不適切事案に対する外部の調査委員会による報告書の内容を公表しました。同報告書では、基準地震動の根拠として想定する地震波(代表波)全225ケースについて、代表波の選定方法やその後の証跡作成などに関して、複数の不適切な行為が行われていたことを認定しました。新規制基準適合性審査での虚偽の説明や、隠ぺい行為もあったと指摘。こうした不適切行為の根本原因として「自分たちは正しいことをしている」という独自の正当化理論や、「結果として発電所の安全性に問題はない」という特異な考え方が存在していたと分析しました。経営層による直接の関与は認められませんでしたが、審査の進展を促す経営層からの圧力も、事案の背景にあったとしました。

同事案は2025年5月に、外部通報を受けた原子力規制庁が調査を開始しました。中部電力は2026年1月に審査会合の説明と異なる意図的なデータ選定を行っていた疑いを公表し、調査委員会を立ち上げていました。同委員会は中部電力と利害関係のない弁護士によって構成され、会社側から独立の立場で関係者からの聞き取りや、資料の分析を実施しました。

同社は調査委員会による報告を受けて会長、社長などの辞任を発表しました。また、浜岡3、4号機の審査申請を取り下げ、安全文化の再構築に取り組むなど再発防止へ向けた方針を示しました。

例えば、原子力本部の名称を「原子力安全推進本部」に改め、同本部の下に新設する原子力ガバナンス推進部の部長は原子力部門以外からの人材、原子力品質保証組織のアドバイザーには社外経験を有する人材を起用するとしています。また、地域の声を速やかに施策に反映するため10月1日付で「静岡地域本部」を新設しました。

電気事業連合会は今回の事案について、地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまからの原子力事業に対する信頼を失墜させ、事業の根幹を揺るがしかねない、極めて深刻なものと受け止めております。原子力事業を担う業界を代表して、心より深くお詫び申し上げます。

中部電力には、今回明らかとなった事実とその背景・原因を真摯(しんし)に受け止め、ガバナンスや組織風土の再構築に向けた経営改革を着実に進めるとともに、その取り組みについて、社会の皆さまに対して丁寧かつ継続的に説明していただきたいと考えております。

業界としても、今後、原子力エネルギー協議会(ATENA)と連携し、今回の調査結果の精査を進め、各事業者に共通する課題や講ずべき対策を検討した上で、それらを着実に実行に移してまいります。今回の事案を重く受け止め、国民の皆さまからの信頼を一つ一つ積み重ねていくため、誠実かつ透明性をもって、全力で取り組んでまいります。