資料1 

 

電力共同で行う2000年度の技術開発計画の概要

 

2000年4月14日
電気事業連合会
中央電力協議会
 

 部分小売自由化の実施や、火力電源の全面入札制度の導入など、電気事業を取り巻く環境は大きな変化を迎えています。
 電力各社は、価格競争力強化等の課題について各社独自の研究を中心に進める一方で、エネルギーセキュリティー確保や地球温暖化対策などの公益的課題や、燃料電池・超電導等の革新的技術開発のような各社共通の課題については、国の支援も受けつつ電力大で共同研究を積極的に推進してまいります。
 
 なお、今年度の電力共同で行う技術開発に関する費用は247億円(昨年度計画比11億円の減)を予定しており、主な内容はつぎのとおりです。 

 

○ エネルギーセキュリティ確保と地球環境保全

  @

原子燃料サイクル体系の確立に向けた技術開発

 原子燃料サイクルの確立に向けて、ウラン濃縮、再処理及びリサイクル燃料資源中間貯蔵等、原子燃料サイクル事業を支援するための研究開発を進める。ウラン濃縮技術について、官民協力のもとに、複合材料胴高度化遠心機の開発とレーザー濃縮技術開発成果のとりまとめまでを引き続き進めるほか、MOX燃料加工技術国産化のための研究開発などに取り組む。

 

A

高速増殖炉の実用化に向けた技術開発

 実証炉概念設計の成果を活用し、安全性の確保、経済性の向上を重視しながら、さらに柔軟な対応ができるよう多様な選択肢を視野に入れ、炉とサイクルが一体となった技術開発を進める。

 

B

放射性廃棄物の合理的な処理処分の具体化に向けた技術開発

 原子燃料サイクル施設から発生する高レベル放射性廃棄物や超ウラン核種を含む放射性廃棄物、および原子力発電所等から発生する低レベル放射性廃棄物のうち現行の埋設濃度上限値を超える廃棄物の処理処分方策の確立に向けた研究、ならびに原子炉の廃止措置に関わる技術開発を進める。

 

C

石炭ガス化複合発電(IGCC)

 石炭ガス化複合発電パイロットプラント(200トン/日:25MW級)での研究に加え、1997〜98年度には実証試験のためのFS・要素試験を実施し、海外プロジェクトの調査結果も踏まえ、1999年度より、資源エネルギー庁の補助金を受けて実証機開発に着手している。2000年度は、引き続き実 証機の性能や信頼性を確認するため、設計研究および事前検証試験を行う。

 

D

CO2対策技術

 

 固定有効利用技術について、1997年度から実施してきた電力共同研究の成果をもとに、引き続き電力共同研究(1999〜2000年度)として海外植林の実態調査・問題点の把握等を実施する。このほか、CO2回収・処分技術については、1995年度から実施してきた電力共同研究の成果をもとに、各社が実施した研究成果について情報交換を行うなど、CO2対策技術に関する技術知見・情報の収集と評価に努める

 

○ 革新的技術開発

@

超電導発電機

 1988年度から国の「超電導発電関連機器・材料技術研究組合」に参加し、1999年度までの12年間に亘るプロジェクトにおいてモデル機開発に取り組んだ結果、30万kW級機の設計・製作技術は確立した。次期フェーズは2000年度から4年間の計画で、実用化を考慮した超電導発電機の高密度化・大容量化基盤技術開発を継続する。

 

A

交流超電導技術

 交流機器への超電導応用を目指した国の研究プロジェクトの前段階である「交流超電導機器基盤先導研究」に1998〜1999年度協力。今後は、2000 年度から5年間に亘る国のプロジェクトにおいて、高温超電導体による送電ケーブル、限流器及び変圧器の機器構成に不可欠な基盤技術開発を行う。

 

B

溶融炭酸塩型(MCFC)燃料電池発電

 リン酸型より高い発電効率と石炭ガスなどの多様な燃料の使用が可能なことから、国の研究開発プロジェクトに協力。1993年度に「MCFC研究組合」に加入し、1999年度まで川越火力発電所(三重県)において1,000kW級発電プラントの開発を進めてきた。2000年度からは実用化時に必要となる電池の高性能化等の要素技術開発を進めるとともに実用化方策の検討を行う。

 

C

体電解質型(SOFC)

 固体電解質型については、引き続き基礎・要素研究を推進するとともに国内外の動向の調査・検討を行う。

 

以 上

 


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