平成12年10月13日

電気事業連合会
NSネット
 

NSネットの概要と主な活動状況

 

1.組織

  

 NSネット(ニュークリアセイフティーネットワーク)(理事長:牧野昇 三菱総研相談役)は、東海村のウラン加工施設における臨界事故を教訓として、原子力の安全文化の共有化・向上を図り、原子力に対する信頼を回復するため、原子力産業に携わる35の企業及び研究機関が参加して、昨年12月9日に設立された組織。
 

(1) 会員

  

電力関係

電力9社、日本原子力発電、電源開発、日本原燃、原燃輸送、レーザー濃縮技術研究組合

プラントメーカ
燃料加工関係他

東芝、日立製作所、三菱重工業、三菱電機、石川島播磨重工業、富士電機、住友原子力工業、日本核燃料開発、ニュークリア・デベロップメント、神戸製鋼所、日立造船、三井造船、原子燃料工業、三菱原子燃料、日本ニユクリア・フユエル、三菱マテリアル、住友金属鉱山、ジェー・シー・オー

研究機関

核燃料サイクル開発機構、電力中央研究所、日本原子力研究所

(2) 評議員(敬称略)

碧海 酉癸

石井 威望(座長)

大平 健

嶌  信彦

田中 靖政

野中 ともよ

村上 陽一郎

消費生活アドバイザー

東京大学名誉教授

聖路加国際病院精神科部長

ジャーナリスト

学習院大学教授

ジャーナリスト

国際基督教大学教授

(3) 事務局

千代田区大手町1−6−1   
  大手町ビル437号
   Tel.03-5220-2666
   Fax.03-5220-2665

 

2.主要な業務

(1) 原子力安全文化の普及

 「原子力安全をテーマとしたセミナー」の開催や会員事業所を巡回して安全推進活動に関する意見交換や安全講演を実施する「安全キャラバン」を実施し、安全意識の徹底、会員間の安全文化の共有化・向上を図る。

(2) 会員間の相互評価(ピアレビュー)

 会員の専門家により構成されたチームにより、会員の事業所を相互に訪問し、原子力安全に関する共通課題について相互評価を実施し、課題の摘出や良好事例の水平展開を実施する。

(3) 原子力安全に係わる情報交換・発信

(財)電力中央研究所の既存のシステム等を参考に、各事業所で生じた(原子力安全に関する)トラブル情報やヒューマンファクターに関する知見等を会員間で交換・共有する。
 

3.主な活動実績及び今後の予定

(1) 原子力安全文化の普及

セミナーの開催

4月 6日

トップセミナー
(東京:経団連会館)

講演:近藤駿介東大教授
吉川弘之日本学術会議会長

9月28日

管理者セミナー
(福井県美浜町:原子力安全システム研究所)

講演:小林宏之日本航空機長 他
事業所の安全活動紹介・ディスカッション

11月28日

NSネットセミナー(東京)

講演およびパネルディスカッション

安全キャラバン

・本年7月より「日本原燃、原燃輸送(青森県六ヶ所村)」を皮切りに、「安全キャラバン」を開始し、これまでに7事業所で実施。今後、本年度中にさらに10事業所で実施予定。

刊行物

・本年3月より「NSネットニュース」を随時発行し、活動状況を随時紹介。(3回発行)

(2) 相互評価(ピアレビュー)

レビュー実施時期
レビュー対象事業所
所在地
施設の種類
4月18日〜21日
三菱原子燃料
茨城県東海村
燃料加工施設
5月23日〜26日
原子燃料工業・東海製造所
同 上
同 上
6月 6日〜 9日
日本ニユクリア・フユエル
神奈川県横須賀市
同 上
7月11日〜14日
ニュークリア・デベロップメント
茨城県東海村
核燃料使用施設
9月19日〜22日
日本核燃料開発
茨城県大洗町
同 上
10月17日〜21日
東京電力・福島第一原子力発電所
福島県大熊町・双葉町
原子力発電施設

11月以降来年3月まで、月1回の頻度で「日本原子力発電・東海第二発電所」、「九州電力・玄海原子力発電所」、「東北電力・女川原子力発電所」、「四国電力・伊方発電所」、「北海道電力・泊発電所」の順で、実施予定。(当面2年間で核燃料物質を取扱う施設を有する23会員の事業所を先行して実施予定)

※「相互評価報告書」は、NSネットホームページで公表。
 

(3) 原子力安全に係る情報交換・発信

一般向ホームページ
(URL:http://www.nsnet.gr.jp)

3月下旬開設

NSネットの活動状況、会員施設の運転状況、プレス発表情報、相互評価報告書、評議員会議事録等を掲載。

同(英語版)

6月末開設

NSネットの概要、活動状況等を掲載

会員向ホームページ

7月開設

原子力施設のトラブル情報等をデータベース化。

(4) 第1回評議員会(本年6月20日開催)

NSネット第1回評議員会 座長による意見の取りまとめ結果は以下のとおり。

  • NS ネットの活動は原子力産業界内部での活動に留まることなく、外部に対しても目標を明確にかかげ、先進的な活動をしていくことを期待する。
  • ホームページで一般に公表する相互評価報告書については、評価対象施設の業務内容、相互評価の実施方法、改善提案内容等を具体的にわかりやすく記述すること。
  • 相互評価の目標にレビュー自体の向上を入れ、進めていって欲しい。

 


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