いざという時に拠点となる免震重要棟 中国電力 島根原子力発電所

vol.16

屋外コンクリート壁

国内の原子力発電所では、大規模な地震等によって重大な事故が発生した場合に備え、早期の収束に万全を期するため緊急時対応の拠点となる免震構造の建物(免震重要棟など)の設置を進めています。

屋外コンクリート壁と免震重要棟

屋外コンクリート壁と免震重要棟

中国電力 島根原子力発電所(松江市)では、2014年10月に日本海を見下ろす海抜約50mの高台に免震重要棟を新設しました。万一の事故発生時には所員らがここを拠点にして、事態の収束にあたります。

1、2号機敷地高さから見上げた免震重要棟

免震重要棟室内

この施設は、基礎と建物の間に設置した積層ゴムなどの免震装置を備え、地震の強い揺れを大幅に低減する構造となっています。また、原子炉建物外部に放射性物質が漏えいする事態をも想定し、作業にあたる所員の被ばくを低減するよう、建物の周囲には、放射線を遮る巨大なコンクリート壁を設置しました。また内部には、外部からの支援がなくても約300人が1週間対応できる食料や専用の電源設備、放射性物質の持ち込みを防止する放射線管理設備なども備えています。

建物と基礎の間の免震装置(積層ゴム)

建物と基礎の間の免震装置(積層ゴム)

建物と基礎の間の階段も矢印部分で切り離されており、基礎からの地震の揺れが建物に伝わらないように設計されている。

建物と基礎の間の階段も矢印部分で切り離されており、
基礎からの地震の揺れが建物に伝わらないように設計されている。

免震重要棟は東京電力 福島第一原子力発電所の事故に際しても、過酷な現場作業を支える重要な拠点となりました。
島根原子力発電所では、新規制基準への適合性確認審査や使用前検査などを経て、本施設を新たな緊急時対策所として使用することとしており、万一の際に迅速な対応ができるよう、様々な事態を想定した訓練を積み重ねていきます。

中国電力 島根原子力発電所

中国電力 島根原子力発電所