COVER
PHOTO

2019.05

四国の山中にある巨大な「蓄電池」
~四国電力 本川ほんがわ発電所~

  • 2号機のポンプ水車室

    発電設備は2基。写真は2号機のポンプ水車室

  • 発電機室での点検風景

    発電機室での点検風景

高知市内から車で約1時間半、高知県いの町の山深くに四国電力本川発電所があります。出力は61万5千kWと四国で最大の水力発電所であり、唯一の純揚水式発電所。電力需要の少ない時に下池である大橋ダムから上池の稲村ダムに水をくみ上げ、需要が多い時の発電用に蓄えておく、いわば、巨大な「蓄電池」です。同発電所の運転・保守を行う本川水力センターは、所員がわずか30人ほどですが、非常に重要な役割を担っています。

電気は発電量と使用量のバランスが崩れると大規模な停電に至る恐れがありますが、近年、太陽光発電が急激に増え、四国エリアでは電力需要が比較的少ない春や秋の昼間に、電気の発電量が使用量よりも多くなるケースが出ています。このような時も本川発電所が活躍します。太陽光で発電しすぎた電気を使って、下池の水を上池にくみ上げることで需給バランスを調整することができるからです。本川水力センターの小谷英彰所長は、「本川発電所は、四国の安定供給を保つための切り札です。所員は四国の電力需給を支えているというプライドを持ち、設備の保全に万全を尽くしています」と力強く話してくれました。

取材当日も時々刻々と変わる太陽光の発電量などに合わせて、起動・停止が行われている様子を垣間見ることができました。お客さまに安定した電気をお届けするため、今日もプロフェッショナル集団が奮闘しています。

地下にある本川発電所への入り口

地下にある本川発電所への入り口