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2019.12
再処理まで使用済燃料を安全に貯蔵
~東海第二発電所 乾式キャスク貯蔵施設~
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使用済燃料の貯蔵容量は約1500体
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電気室では、温度・圧力・放射線量を監視
キャスク下の支持構造物には耐震補強を施した
茨城県東海村には原子力関係の事業所が11カ所もあります。日本原子力発電の東海発電所・東海第二発電所もその一つです。東海発電所は既に営業運転を終え、解体作業中。隣接する東海第二発電所は東日本大震災に伴い、運転を停止しています。
東海第二発電所の原子炉建屋にある燃料貯蔵プールには、使用済燃料や新燃料が合わせて2000体以上貯蔵されています。
加えて、2001年に敷地内に建設されたのが、今回紹介する乾式キャスク貯蔵施設です。これらは、使用済燃料を搬出するまでの間、一時的に貯蔵するためのものです。
鉄筋コンクリート造の建物内には、全長約5.7m、外径約2.4mの円筒形をしたキャスクが縦置きにされて並んでいます。これらのキャスクは、①除熱機能②閉じ込め機能③遮蔽機能④臨界防止機能──といった安全機能を備え、使用済燃料を安全に貯蔵しています。キャスクの表面や施設の給排気の温度、キャスクの二重のふたの間に充填したヘリウムガスの圧力、そしてキャスク周辺の放射線量を常に監視し、異常があれば警報で知らせる仕組みです。
施設を管理する安全管理室炉心・燃料グループの山中勝マネージャーは、「これらの業務を安全最優先で実施していきたい」と力強く述べられています。

乾式キャスク貯蔵施設