2019.10
台風15号上陸、千葉県で大規模停電
過去最大規模の応援 一丸で懸命の復旧
今秋の自然災害により、お亡くなりになられた方々に心よりお悔み申し上げますとともに、被災されたみなさまに心よりお見舞いを申し上げます。
東日本を中心に大きな被害をもたらした「台風15号」、「台風19号」という大型台風の影響で長期間にわたる停電が発生し、お客さまに大変なご迷惑とご不便をおかけしましたことを深くお詫びいたします。
台風15号の影響では、東京電力パワーグリッド(東電PG)の供給エリアで大規模な停電が発生しました。特に千葉県内では、暴風に伴う倒木や土砂崩れによる道路寸断など、現地に入れないような被害が生じたことから、広範囲にわたる停電が長引きました。こうした中、全国の電力会社は、昨年の一連の自然災害の教訓も踏まえ、過去最大規模の応援派遣を実施するとともに、各社一丸となって復旧作業にも取り組んでまいりましたので紹介いたします。
台風15号について
9月5日に発生した台風15号は、9日午前3時前に三浦半島付近を通過して北北東に進み、同日午前5時前に千葉市付近に上陸しました。上陸時の勢力は、中心気圧960ヘクトパスカル、最大風速40メートル/秒で、関東では過去最強クラスでした。関東地方では猛烈な風が吹き、千葉市では最大瞬間風速57.5メートル/秒を記録しました。

ゴルフ練習場のフェンスが倒壊し、住宅や配電設備が被害を受けた現場で状況を確認する 提供:電気新聞
-
東北電力の応援部隊 提供:東北電力
-
中部電力の応援部隊 提供:中部電力
-
北陸電力の応援部隊 提供:電気新聞
-
中国電力の応援部隊 提供:中国電力
-
四国電力の応援部隊 提供:四国電力
-
九州電力の応援部隊 提供:九州電力
台風15号の接近・上陸により、千葉県や神奈川県を中心に、茨城、東京、埼玉、栃木、静岡と広範囲で停電が発生しました。特に千葉県内では、倒木や土砂崩れによる道路寸断など、現地に入れないような被害が発生していたため、停電が長引く結果になってしまいました。停電戸数は東電PGの供給エリアにおいて、最大で約93万4900軒(9月9日午前7時50分時点)に上りました。
今回の大規模停電への対応や今後の課題について、東京電力ホールディングスは社内で検証委員会を設置し、調査結果をまとめる方針です。
各社一丸となった応援
今回の停電復旧対応に当たっては、東電PGや東電グループ各社、協力会社に加え、全国の電力会社から復旧要員や高圧発電機車が派遣され、東電PGと連携しながら一刻も早い停電復旧に努めました。
-
関西電力の応援部隊 提供:関東電気保安協会
-
北海道電力の応援部隊 提供:北海道電力
-
沖縄電力の応援部隊 提供:沖縄電力
-
電力業界は、昨年発生した西日本豪雨や台風21号、北海道胆振東部地震などの大規模な自然災害の教訓・反省を踏まえ、被災会社からの要請を受ける前に自発的に応援体制を構築する「プッシュ型支援」を取り入れていました。これにより、停電発生軒数が最大となってから約13時間後という早い段階で、東北電力や中部電力を中心とする初動体制として、復旧要員約1200人、高圧発電機車20台の応援派遣が可能になりました。その後も、全国の電力会社からの応援は順次拡大し、9月27日の最終時点において延べ1万9人が派遣されました。昨年の西日本豪雨が延べ341人、台風21号が延べ478人、北海道胆振東部地震が延べ1706人であり、過去の災害時と比較しても大規模な応援派遣となりました。
今後、東電PGや国が今回の大規模停電について検証することになりますが、電気事業連合会としても検証結果を踏まえながら、あらためて停電時の復旧体制や資機材の配備状況、電力会社間や自治体との連携について再確認し、災害時の応援体制強化に努めてまいります。
おわりに
私ども電気事業者といたしましては、「電力の安定供給」は最大の使命であります。安定供給や停電の早期復旧につきましては、引き続き電力各社でしっかりと協力して、お客さまに安定して電気をお届けできるよう全力で取り組んでまいります。
停電・災害関連情報専用Twitterアカウントを開設いたしました
-
停電・災害情報を発信する専用のアカウントを開設いたしました。
台風や地震などによる停電情報、設備状況等について発信いたしますのでぜひ、ご覧いただくとともに、フォローをお願いいたします。 -