2025.05
エコキュート累計出荷台数1000万台達成
脱炭素に向け一層の進化、普及へ
2001年に発売を開始したエコキュートが、この3月末に累計出荷台数1000万台を達成しました。エコキュートは自然冷媒であるCO₂を使用するヒートポンプ給湯機の愛称で、少しの電気と大気熱で経済的に、地球環境に優しくお湯をつくることができます。2050年のカーボンニュートラル達成へ向けて、家庭のエネルギー消費の約3割を占める給湯の脱炭素は重要な課題です。電気事業者は、国やメーカーなどと協力して、一層のエコキュート普及拡大に取り組んでいく考えです。
ヒートポンプとは、熱が高いところから低いところへ移動する性質を利用し、冷媒を圧縮して温度を上げたり、膨張させて温度を下げたりすることで大気熱などの環境熱を集めて活用する技術です。投入した電力よりも多くのエネルギーを得ることができるため非常に高効率であり、化石燃料を直接燃焼しないため、省CO₂性にも優れます。加えてエコキュートは、CO₂を冷媒に使用することで、代替フロンなどの従来冷媒よりも地球温暖化への影響を大幅に抑えています。また貯湯タンクを備えることから、災害時の非常用水を日常から意識せずに貯められ、防災にも貢献します。
現在、国内では複数メーカーからそれぞれ特徴のある製品が販売されており、性能や機能は年々充実しています。元来、電力供給力が豊富な深夜電力を活用してお湯を沸かすことをメインに考えられた製品でしたが、近年では太陽光発電などの再生可能エネルギー(以下、再エネ)の普及に伴い、晴天の昼間の供給力が豊富になってきているほか、太陽光発電の固定価格買取制度の買取期間満了に伴う自家消費ニーズも高まってきていました。そのため2022年から「おひさまエコキュート」という、昼間に沸き上げるタイプの製品が市場投入されました。太陽光発電の有効活用で一層CO₂排出削減に貢献できます。今後は、供給力が余剰なときに沸き上げ、不足するときは運転を控えるデマンドレスポンス(DR)機能を搭載して、再エネ出力制御の抑制に寄与することも期待されます。
5月に都内で電気事業連合会など3団体主催で1000万台達成記念式典が開かれました。電気事業連合会の林欣吾会長は「エコキュート自体が脱炭素ツールであり、再エネ導入拡大にも貢献する。そうした良い価値をよりPRしていきたい」と一層の普及を誓いました。
順調に拡大するエコキュートですが、一層の普及拡大に向け、電気事業連合会は2024年に6つの柱からなるヒートポンプ普及への提言をまとめています。技術開発支援など各施策の実現へ働きかけを続けるとともに、認知度拡大などの取り組みを進めていきます。(提言の詳細はEnelog Vol.66をご覧ください)

1000万台達成記念式典で、主催者代表としてあいさつするヒートポンプ・蓄熱センターの小宮山宏理事長
今田美桜さん出演 新テレビCM放映中!
電気事業連合会では、俳優の今田美桜さんが出演する新テレビCM「電気とひとの物語」を全国で放映開始しました。
CM撮影に臨む今田さんの一日を、劇中劇のようなドキュメント仕立てで描いた2つのタイプのストーリーを通じて、「これからも、ずっと電気と。」というメッセージを表現しましたので、ぜひご覧ください。
「電気とひとの物語・冷蔵庫あけたら」篇
-
一人暮らしの女性を演じる今田さんが仕事で疲れて帰宅した夜、何気なく冷蔵庫を開けると、そこにあるはずのない両親の手作りプリンを発見。そこから小さい頃の懐かしい思い出がよみがえり...
-
「電気とひとの物語・この撮影も」篇
-
実家の冷蔵庫の前に佇む今田さんが、撮影クルーの「OKです!」の声で、役柄から“素”に戻るシーンからスタート。実は「冷蔵庫あけたら」篇は、「この撮影も」篇とひと続きになっていて...
-
電事連ホームページでメイキング・インタビュー動画も公開中!
ttps://www.fepc.or.jp/sp/zuttodenkito/