原子力発電所の新たな安全対策 中部電力浜岡原子力発電所

vol.07

中部電力の浜岡原子力発電所では、2011年7月から、津波に対する安全性をより一層高めるための「新たな対策」が進められています。

建設中の防波壁 まず目に入るのが建設中の「防波壁」。敷地内への浸水防止対策として注目が集まるこの防波壁は、高さ海抜18メートル、厚さ約2メートルからなる構造物で、発電所の敷地に沿って長さ1.6キロメートルに亘り建設されています。

強化扉。奥にある水密扉を、津波や漂流物から守る また、敷地内が浸水した場合でも、建屋内に浸水させない「防水対策」を強化しています。原子炉建屋に資機材を搬入する開口部の扉は多重化され、外側に「強化扉」、内側に「水密扉」を新たに設置するなど、耐圧性と防水性を高めています。「強化扉」は厚さ1メートル、重さ40トンと重厚ですが、電源が使えない場合でも人力で開閉できる構造となっています。

左右に2本の煙突 その奥にタービンと発電機をそれぞれ設置する さらに、福島第一原子力発電所事故の直接的な要因となった「海水取水ポンプ」や「非常用ディーゼル発電機」等の機能が全て喪失した場合でも原子炉を「冷やす機能」を確保するため、海抜30メートル以上の高台に「ガスタービン発電機」や「地下式の水槽」を設置するなど、幾重もの代替措置を講じることとしています。

加えて、内閣府が公表した最大クラスの巨大津波(海抜19メートル)に対しても、浸水防止効果をより一層高めるため、防波壁をさらに4メートルかさ上げし海抜22メートルの高さにするなどの強化策を2012年12月に公表しています。

現場では、今日も安全性向上への取り組みが続けられています。